2013 Fiscal Year Annual Research Report
パワーアシストによる人の運動特性変化に基づく筋力補助装具の設計
Project/Area Number |
13J01800
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
今村 由芽子 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | パワーアシスト / 体幹安定化 / 動作計測 / 筋骨格モデル / バイオメカニクス |
Research Abstract |
筋力補助装具スマートスーツ・ライトはの張力のみを利用し, 装着者の姿勢変化に伴い発生する弾力性により身体負担を軽減する装具である. この装具の補助効果は腰部の関節を伸展させるような力による筋力補助効果と, 体幹周りを締め付けてコルセットのように腰部の支持性を増加させる体幹安定化効果の二つに分けることが出来る. このうち体幹安定化効果は軟性コルセット等により姿勢の安定性が向上することや, 椎間板負荷が減少することが先行研究で実験的に示されてきた, しかし, 締付力とその効果を解析した装具設計はこれまで行われて来なかった. 本研究では動作計測により体幹安定化効果を非侵襲かつ定量的に評価し, 腰部への締付力と体幹安定性のモデル構築とその装具設計への応用を目的とする. 2年計画のうち, 初年度に当たる今年度は, 体幹安定化効果による体幹の剛性変化に着目し, 次の項目を実施した. 1)スマートスーツ・ライト着用時の動作計測実験を行った. その結果, 腰部屈曲姿勢維持時において装具着用により姿勢安定性は維持または向上していることが確認された. 2)動作計測による関節剛性の推定実験と, その結果を用いた関節剛性のモデル化を行った. 腰部の関節剛性は体幹筋活動と腰部周りの締付力を用いたモデル式により推定できる可能性があることを示した. 3)関節剛性と体幹安定性の関係を動作計測により検証した. 関節剛性の推定値と腰部前屈角度の標準偏差は負の相関関係にあり, 関節剛性により体幹安定性を表すことの妥当性が示された. 以上から, アシスト装具着用による体幹安定化効果の定量的な推定とシミュレーションのための腰部関節剛性のモデル化手法を提案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
補助力による姿勢安定性向上と, 関節剛性増加による姿勢安定性向上をそれぞれ実験により検証し, 初年度の目的である補助力と体幹安定化効果のモデル化手法を提案した.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度提案した体幹安定化効果のモデル化手法を基に装具設計手法を提案する. また, アシスト装具の補助力のより詳細な計測・解析を行う.
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