2013 Fiscal Year Annual Research Report
人為的複製起点を用いた高等真核生物Mcm2-7挙動のダイナミズムの解明
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13J01818
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
讃岐 陽介 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 複製起点 / pre-RC / MCM / ChIP法 |
Research Abstract |
[研究内容・成果] これまでの研究により筆者は、ツメガエル卵無細胞複製系においてGAL4結合配列特異的にプラスミドDNA上でpre-RC形成をさせ、DNA複製を引き起こすことに成功した。本年は、この人為的な複製起点におけるpre-RC形成領域とDM複製開始点との空間的な位置関係を明らかにすることを目指し、クロマチン免疫沈降法(ChIP法)による解析を試みた。 Pre-RC形成後にChIP解析を行った結果、GAL4結合配列近傍に複製ヘリカーゼであるMCMが結合することが明らかとなり、MCMはORC-Cdc6-Cdt1複合体近傍のDNAに結合すること、そしてこの系においてpre-RC形成時にMCMはpre-RC形成領域からDNA上を移動しないことが示唆された。続いてDNA複製反応依存的にプラスミドDNAに取り込まれるBrdUTPを検出することで、DNA複製開始領域を明らかにすることを目指した。結果、GAL4結合配列近傍にBrdUTPの高い取り込みが検出され、GAL4結合配列近傍からDNA複製が開始したことが明らかとなった。 [意義・重要性] 高等真核生物の複製起点を配列特異的に構築することに成功した本研究の成果は、高等真核生物のDNA複製における段階的反応を明らかにし、複製起点を中心としたDNA複製制御機構の解明に貢献する。またツメガエル卵無細胞複製系は染色体上で起きる様々な現象の解析が可能であることから、本研究によりDNA複製反応を中心に様々な核内反応の関係性を解明することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国立遺伝学研究所・鐘巻研究室との共同研究により、ツメガエル卵無細胞複製系においてプラスミドDNAを用いたChIP解析法の確立に成功した。これにより当初予定していたpre-RC形成領域、DNA複製開始領域を明らかにすることができ、さらに高等真核生物特有な複製因子であるgeminin、RecQ4、Treslinの人為的複製起点への結合解析に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、人為的複製起点からのDNA複製開始反応をリアルタイム解析することを先ず目指す。また構築されな人為的複製起点を用い、複製ヘリカーゼであるMCMの挙動解析にとどまらず、様々な複製因子の挙動解析を考えている。現在は高等真核生物特有な複製因子であるgeminin、RecQ4、Treslinに注目をし、解析を進めることを検討している。これにより高等真核生物の複製起点をめぐるDNA複製制御反応の詳細を理解することを目指したい。
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Research Products
(2 results)