2017 Fiscal Year Annual Research Report
脂質ラフトと膜貫通型キナーゼの協働によるシグナル変換機構:1分子追跡による研究
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13J01859
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平本(山木) 菜央 京都大学, 高等研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 1分子追跡法 / ライブイメジング / 細胞膜 / シグナル伝達 / 免疫反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、免疫シグナルに重要な役割を担う、IgE抗体の受容体であるFceRIとシグナルアダプター分子SLP-76およびLATの相互作用および活性化の機構の解明である。 これまでに、マスト細胞様細胞株RBL-2H3において、抗原刺激有無に関係なくLATとSLP-76の共局在は見られなかった。つまり、従来考えられてきたSLP-76-LATの安定的複合体形成とは異なる分子挙動を示すことを明らかにしてきた。 今年度は、SLP-76と相互作用することが報告されている膜結合分子 (LAT1、LAT2、LAT1/2、あるいはCD6) について、CRISPR/Cas9システムを用いて内在性分子発現をなくした。これらのノックアウト (KO) 細胞を用いて、SLP-76や下流エフェクター分子の動きを1分子イメジングで検討したところ、LAT1/2ダブルKO細胞では、SLP-76が巨大で安定なクラスターを形成することを見出した。さらにこのSLP-76クラスターには常に下流分子Vav1が共局在することが分かった。また、CD6の関与はこれまでT細胞でしか報告されていなかったが、CD6KO細胞ではSLP-76の膜リクルート挙動に変化はなかったが、膜へリクルートされてくるVav1の頻度と膜滞在時間が増加した。対して、LAT1あるいはLAT2単独をKOしただけでは、野生型細胞と比較して変化なかった。 これらのことから、マスト細胞において、① LAT1とLAT2の機能は相補的である、 ② LAT1/2の他にSLP-76を強固に膜結合させる分子 (X) が存在する、③ LAT1/2が分子XとSLP-76の結合を阻止している可能性がある、さらに ④ 新規FceRIシグナル伝達分子CD6がSLP-76への下流エフェクター分子リクルートに関与している、ことが示唆された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)