2014 Fiscal Year Annual Research Report
グラフ構造のリサンプリングを行うブートストラップ法
Project/Area Number |
13J01933
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永田 晴久 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ブートストラップ法 / 確率的グラフ構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究では,エッジリサンプリングの利点を保ちつつ推定量の評価を行うため,ポアソン分布を利用したブートストラップ法(ポアソンブートストラップ)を提案した(申請書における研究内容 2,研究発表1, 2, 3).この方法では,エッジ集合をリサンプリングしてブートストラップ標本を生成する代わりに,各ノードペアに対してポアソン分布から独立にエッジを生成してブートストラップ標本とする.この方法は,元のエッジリサンプリングにおいてリサンプリング数をポアソン分布に従ってランダムに決めていると解釈することができるため,エッジリサンプリングにおける一致推定量はポアソンブートストラップでも一致推定量となる.また,ポアソンブートストラップの計算コストは通常のリサンプリングと同じであり,容易に並列化可能である. ポアソンブートストラップによって求められる推定量の性質を調べるため,いくつかの確率グラフモデルおよび統計量についての漸近的性質を導いた(研究内容2,研究発表2, 3).具体的には,Erdes-Renyi (ER) モデルのポアソン極限における総エッジ数の平均・分散,部分エッジ数の平均・分散,次数の平均・分散,Generalized Random Graph (GRG) モデルのポアソン極限における総エッジ数の平均・分散および Stochastic Block Model (SBM) のポアソン極限における総エッジ数の平均・分散について,ポアソンブートストラップを使って求めた推定量が元の推定量に対して一致性を持つことを示した.また,クラスタ係数について,ER モデルの下でブートストラップ分散が一致性を持つことがシミュレーションにより確かめられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度の研究では,数理的な問題の解決にかなり時間がかかり,予定していた実データへの適用はできなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,より実用的なネットワークのモデルについての数理解析を行うとともに,計算機上への実装と実データへの適用を行っていく.同時に,成果を整理して論文化する作業も進めていきたい.
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Research Products
(2 results)