2013 Fiscal Year Annual Research Report
摂食・情動に関与する受容体(メラニン凝集ホルモン受容体)の活性化制御機構の解明
Project/Area Number |
13J01969
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
濱本 明恵 広島大学, 大学院総合科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Gタンパク質共役型受容体 / メラニン凝集ホルモン / 構造活性相関 / Gタンパク質 / 細胞内シグナル / 摂食 / 情動 |
Research Abstract |
(I)哺乳類MCHRIにおけるGタンパク質選択機構の解明 31種類の置換体のGi/o共役能を調べた結果、細胞内Ca^<2+>濃度測定において、細胞内第2、第3ループ領域に存在するアミノ酸6残基を置換したi2_6sub及びi3_6subは百日咳毒素(Gi/oを特異的に不活性化させる作用を持つ)に対する感受性が低下し、Gi/o活性低下を示した。一方、哺乳類MCHR1の細胞内第1ループ領域はGタンパク質共役に関与しないことも分かった。さらにGi/o活性選択的なGTPYS結合能測定およびcAMP量測定においても、両置換体は野生型と比較して有意なGi/o活性低下が認められた。また、細胞内Ca^<2+>動員におけるi2_6sub及びi3_6subのGq油性は野生型と同程度であったことから、細胞内第2、第3ループ領域近傍の置換箇所はそれぞれ、Gi/o選択的な共役に重要であると推測される。 (II)MCHR1に共役する各Gタンパク質が担う情報伝達系及び生理機能の解明 (I)でGi/o活性低下を示したi2_6sub及びi3_6subのリガンド結合能は野生型と同程度であった。また、フローサイトメトリー解析及び細胞免疫化学染色を行い細胞膜上における発現を調べたところ、i2_6subは膜発現量が上昇し、i3_6subでは低下した。 また、哺乳類MCHR1のアゴニストCompound15及びアンタゴニストCompound30に対する細胞内Ca^<2+>動員能は、野生型とi2_6sub、i3_6sub間で違いは認められず、いずれの化合物もGi/o活性に対するバイアスリガンドではないことが分かった 本研究成果は哺乳類MCHRI-Gi/o相互作用の3次元相同モデル作成に重要な知見を与えると共に、他のGPCRにおける構造活性相関の研究に多くの情報を提供することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究の目的に記載した内容に関しては、ほぼ終了した。ただし、論文は現在執筆中であり、4-5月中の投稿を考えている。 また、2014年度に実施を計画していた(III)MCHRI-RGS8のin vivo相互作用解析に関してもすでに着手しており、RGS8過剰発現マウスの行動解析を進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞内情報伝達系の解析(細胞内カルシウム濃度測定、GTP_YS結合能測定、cAMP量測定)から、哺乳類MCHR1のGi/o選択的共役に関与するアミノ酸残基の候補を複数明らかにした。しかし、MCHR1-Gタンパク質間の生化学的な証明(免疫沈降法解析)をするには至っていない。そこで、リガンド添加、GB_Yを共導入することにより、これの解決を図る。
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Research Products
(11 results)