2014 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ回折法による音響キャビテーション場における複素音場・気泡粒度分布同時計測
Project/Area Number |
13J01995
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
黒山 喬允 筑波大学, システム情報工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 音響キャビテーション / 定在波 / 音圧 / 粒度分布 / レーザ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,レーザビームの回折を用いる,水中に発生した音響キャビテーションの気泡粒度分布とその周辺音圧を同時に計測する手法を確立することである.本研究では平成25年度までに,音響キャビテーションによって回折したレーザのパターンから気泡粒度分布を求める手法および超音波によって回折したレーザビームのパターンから音圧を計測する手法を考案してきた.26年度は,これら2つの手法を組み合わせることで気泡粒度分布と音圧を同時に計測する手法に関して検討を行った. 昨年度までに考案してきた音圧計測法では,レーザビームが透明な媒質を伝搬することを仮定している.このため,まず音響キャビテーションのような光散乱体がレーザビームを用いる音圧計測に及ぼす影響を調べた.音響キャビテーションが生じない脱気水を満たしたガラス製水槽に超音波を入射し,1次元定在超音波場を形成した.水中には光散乱体として粒度分布既知のガラスビーズを分散させた.実験の結果,ガラスビーズの数密度が低くレーザビームの透過率が高い場合は,提案手法によって音圧を計測できることが分かった.しかしながら,光散乱体の数密度が高い場合に音圧の計測が困難になることが分かった. また,一次元定在超音波によって回折したレーザビームのパターンと同時に,ガラスビーズによって回折したレーザのパターンを計測し,粒度分布を求めた.その結果,求めた粒度分布はガラスビーズ本来の粒度分布と良く一致した. 以上から,光散乱体の数密度が低い条件では提案手法により音圧の計測が可能であり,また同時に取得した散乱体によって回折したレーザのパターンから散乱体の粒度分布を求められることが示された.しかしながら,音圧計測が不可能になる光散乱体の数密度は定量的に把握できていない.従って,平成27年度は,光散乱体が音圧計測を阻害する原因とその条件を求める必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では計画通り平成26年度に予定していたレーザビームを用いる音響キャビテーションの気泡粒度分布とその周辺音圧の同時計測法について検討を行った.音響キャビテーションのような光散乱体を含む水中の音圧と,散乱体の粒度分布を同時に計測する方法を考案し,一定の条件下で光散乱体の粒度分布とその周辺音圧を提案手法によって計測できることを確認した.計測が可能な条件等については平成27年度に更なる検討が必要であるものの,計画通り研究を完遂できるものと思われる.以上から,本研究は概ね順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後も計画に則って研究を推進する.平成27年度ではまず,26年度で課題を残した音圧計測における光散乱体の影響を詳細に検討する.その後,計画通り様々な条件で発生させた音響キャビテーションの計測を行い,本研究を完遂する.
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Research Products
(3 results)