2015 Fiscal Year Annual Research Report
フッサールの他者論と倫理学の架橋 --「表現」概念によるアプローチ--
Project/Area Number |
13J02065
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 崇志 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | エトムント・フッサール / 他者論 / 倫理学 / 現象学 / コミュニケーション / 表現 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主題は「フッサールの他者論と倫理学の架橋」である。 本研究の最終目的は、エトムント・フッサール(1859-1938年)の現象学における「表現」概念の再解釈を通じて、彼の他者論(経験される対象を他者と共有すること、あるいは他者について経験することについての理論)と、倫理学(他者との関係を含めた人間生活一般における規範を問う理論)の断絶を埋めることである。 そこで本研究は、以下のような段階的な課題を立てることによって、フッサールの他者論と倫理学の架橋という最終目的を達成することを目ざす。すなわち、研究課題A:『論理学研究補巻』を参照することによる、「表現」概念の再解釈、研究課題B:「表現」概念の再解釈を踏まえた、フッサール現象学の再検討、研究課題C:フッサール現象学の再検討を踏まえた、彼の他者論に含まれる倫理的規範の解明、の三段階である。 研究三年目に当たる本年度において、本研究は研究課題Cを達成した。具体的には、この課題を達成するために、本研究は(C1)フッサール現象学の再検討を踏まえた、彼の他者論における「鏡映」という論点の提示、(C2)「鏡映」という論点を中心とした、フッサールの他者論の概括、(C3)フッサールの他者論に含まれる倫理的規範の解明、という三つの段階を踏んだ。そして本研究は、フッサールの他者論における「伝達の共同体」の理論の中で〈他者に対して無関心であるべきではない〉という倫理的規範を説明することによって、研究課題Cを達成した。そしてこれにより、本研究の最終目的である「フッサールの他者論と倫理学の架橋」が実現したのである。 なお、C1、C2、C3という各段階の研究成果は、それぞれ論文や口頭発表として公開された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)