2013 Fiscal Year Annual Research Report
超分子化学による主鎖型フラーレンポリマーの自在構造制御と機能発現
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13J02077
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平尾 岳大 広島大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フラーレン / 超分子ポリマー / フラーレンポリマー / カリックスアレーン / ホスト・ゲスト相互作用 |
Research Abstract |
1. 主鎖型超分子フラーレンボリマーの構築 主鎖にフラーレンを組み込んだポリマーは, いまだ合成例が限られており, 合成を達成することはフラーレンの応用を考える上でも重要である。フラーレン包接部位を二つもつ直線型ホスト分子, フラーレン包接部位を三つもつ分岐型ホスト分子およびフラーレン部位を二つもつ直線型のゲスト分子を合成した。ホスト分子とゲスト分子およびその混合物の濃度別粘度を測定おこなった。ホスト分子およびゲスト分子のみの粘度は, 濃度1mMから10mMの範囲で殆ど変化が見られなかった。一方混合物は, 濃度を濃くするに従い粘度の上昇が観測された。濃度1mMで溶媒粘度と殆ど同じであった粘度の値が, 濃度10mMでは直線型ホスト分子で約2倍, 分岐型ホスト分子で約3倍大きな値を観測した。すなわち溶液状態でポリマー鎖が長く成長したことが示唆された。また, 分岐型ホスト分子とゲスト分子の混合物は, 濃度6mMで粘度が急激に大きくなった。このことは三つの包接部位のうち二つを使い, 一次元に成長した超分子ポリマー同士が、残る一つの包接部位で架橋することで急激に大きくなった為ではないかと考えられる。この結果から, ホスト分子の構造の違いが溶液中でのポリマー鎖の広がり方に影響を与えるという知見を得た。 2. 超分子化学によるABC型周期性ポリマーの構築 三種類のモノマー分子が・ユニットずつ, 繰り返し配列した周期性ポリマーは従来の高分子合成方法では合成が非常に困難である。そこで, 分子認識の化学により三成分系周期性ポリマーの合成達成を考えた。ビスポルフィリンとトリニトロフルオレノン, カリックス[5]アレーンとフラーレン, ハミルトン型ビスビリジンレセプターとバルビツール酸の三種類のホスト・ゲスト錯体を用いて, ホスト部位と異なるゲスト部位をもつヘテロジトビックなモノマー分子三種類の合成ルートの開拓をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までにABC型周期性超分子ポリマーについては, 三種類のモノマー分子を設計し, 当初の計画通り合成ルートの開拓中である。現在までに二種類のモノマーの合成ルートの開拓を終えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き, 適宜NMRや質量分析などの手法をもちいて目的化合物の合成ルートの開拓をおこなう、合成ルートを確立し次第, 大母合成をおこない, UV吸収スペクトル, NMRスペクトル, 蛍光スペクトル, DOSY, 粘度, AFM, SEM測定によって溶液中および固体状態で超分子フラーレンポリマーの形成を明らかにする。
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Research Products
(9 results)