2014 Fiscal Year Annual Research Report
超分子化学による主鎖型フラーレンポリマーの自在構造制御と機能発現
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13J02077
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平尾 岳大 広島大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | フラーレン / 超分子ポリマー / フラーレンポリマー / カリックスアレーン / ホスト-ゲスト相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
超分子化学によるABC型周期性ポリマーの構築 三種類のモノマー分子が一ユニットずつ,繰り返し配列した周期性ポリマーは従来の重合方法では合成が非常に困難である。そこで,分子認識により三成分系周期性ポリマーを合成しようと考えた。ビスポルフィリンとトリニトロフルオレノン,カリックス[5]アレーンとフラーレン,ハミルトン型ビスピリジンレセプターとバルビツール酸の三種類のホス-ゲスト錯体を用いて,ホスト部位と異なるゲスト部位をもつヘテロジトピックなモノマー分子三種類の合成ルートの開拓をおこなった。溶液中での超分子フラーレンポリマー形成を調べる為に濃度別拡散係数を求めた。それぞれ独立に溶かした溶液の拡散係数は濃度に依存しなかった。また,二種類の混合物を溶かした溶液の拡散係数は濃度を濃くしていくとおよそ25%減少した。このことは,ヘテロダイマーの形成を示唆している。三種類の混合物を溶かした溶液の拡散係数は濃度を濃くするに従って大きく減少した。濃度1mMではそれぞれ独立に溶かした溶液と近い値であった拡散係数が,濃度10mMにおいておよそ80%減少した。以上の結果から,今回合成した三種類のモノマー分子はそれぞれヘテロに会合体を形成し,三種類混合することで大きな会合体を形成するという知見を得た。固体状態における超分子ポリマーの形成を調べる為に,原子間力顕微鏡をもちいた直接観察をおこなった。三種類のモノマーを混合した溶液を基盤の上にキャストし観察したところ,複雑に絡み合ったポリマー様の組織を形成していることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現在までにABC型周期性超分子ポリマーについて,三種類のモノマー分子を合成した。各分子の濃度別拡散係数の値から,三種類のモノマーすべてを混合した時のみ,大きな集合体を形成することを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
目的化合物の大量合成をおこない,紫外可視吸収スペクトル,核磁気共鳴スペクトル,蛍光スペクトル,粘度測定,原子間力顕微鏡,走査型電子顕微鏡をもちいて溶液中および固体状態で超分子フラーレンポリマーの形成を明らかにする。
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Research Products
(4 results)