2013 Fiscal Year Annual Research Report
慢性炎症性疾患患者に対するセルフケア支援に着目した非薬物療法の開発
Project/Area Number |
13J02124
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西口 周 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 関節リウマチ / セルフケア / スマートフォン / 疾患活動性予測 |
Research Abstract |
関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis : RA)をはじめとする慢性炎症性疾患は症状が日々変化しながら症状が進行することが大きな特徴であるが、日々の症状を客観的に評価し治療に結びつけるという予防的治療戦略は十分に確立されていない。本年度は、スマートフォン上での取得データによる関節リウマチ患者の症状予測アルゴリズムの開発と、症状予測アルゴリズムを用いた縦断的な症状観察研究を行なうこととした。 まず、RA外来患者65名を対象とし、RAの疾患活動性の指標としてDAS (disease activity score) 28を算出した。また、スマートフォン上にて、RA患者のdisabilityの評価指標であるmHAQ (modified health assessment questionnaire)、全身の疹痛関節数、腫脹関節数、さらにスマートフォン内の歩行解析ソフトを用いて計測した歩行指標を測定した。上記のスマートフォン上の測定項目により、DAS28を予測する式を作成するために重回帰分析を行なった結果、mHAQ、痔痛関節数、他覚的指標としての歩行の左右対称性の3項目を組み合わせた自己測定式かつ非侵襲的なモデルにより、高精度でDAS28を予測することができることが示された。 続いて、RA外来患者10名を対象とし、上記アプリケーションを搭載したスマートフォンを3ヶ月間携帯させ、日々のmHAQ、疹痛関節数、歩行の左右対称性データを縦断的に取得した。一方、1ヶ月毎の通院時に血清データ等を取得し、DAS28を計測した。そして、スマートフォン上での予測症状データと通院時のDAS28の縦断的な妥当性の検証を行なった。そして、スマートフォンによる予測症状と定期来診時のDAS28が概ね一致する患者群と一致しない患者群がいることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関節リウマチ患者の症状予測アルゴリズムの開発を行ない、スマートフォン上で取得した指標により血清データを主とするリウマチ症状評価指標を鋭敏に予測することが可能であることが示され、縦断的な妥当性検証を行なっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策は, 引き続き関節リウマチ患者を対象に、本年度作成したスマートフォン上での症状予測アルゴリズムを用いて症状に応じたフィードバックシステムを構築し、自身の日々の症状把握を行わすことによる3ヶ月間(短期)及び6ヶ月間(長期)のセルフケア支援の効果検証を行なう。
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Research Products
(7 results)