2013 Fiscal Year Annual Research Report
惑星リング‐衛星系形成進化過程の解明に関する理論的研究
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13J02215
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
安井 佑貴 神戸大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-26 – 2015-03-31
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Keywords | N体計算 / リング-衛星系 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度は、土星リング中に存在する小衛星の起源及び形成・進化過程の研究を進めた。リング中の小衛星形成に関する従来の研究では、リング中の高密度コア周りのリング粒子集積シミュレーションによって、重力圏形状の天体が形成されることが確認されている。しかし、リング中で小衛星の粒子集積度合いが土星からの距離とともにどう変わるのか等について、定量的には調べられていない。また従来の研究では、集積によって形成される小衛星形状とリングの力学的な状態との関連が重要であると認識されているが、詳しく調べられていない。さらに主要リング中で存在が示唆されている小衛星および大きな粒子の起源について、いくつかの起源説が提案されているものの、わかっていないことが多い。そこで本研究では、局所多体問題軌道計算によりリング中で高密度コア周りのリング粒子の重力的集積度合い及び集積過程を詳しく調べ、以下の点を明らかにした。 1. 小衛星の密度が氷の密度より十分大きいか、重力以外の力が働かない限り、リングの内側領域外縁部よりも内側では集積が起こらないことがわかった。よって、リング内側領域で間接的に観測されている周囲のリング粒子よりも大きな粒子は、リング形成時の最大サイズの衝突破片である可能性がある。 2. リングの厚みが例え小衛星サイズに比べて十分薄くても、小衛星表面上での粒子間衝突や衝突粒子の押し上げ効果によって、リングの厚みよりも十分高い位置に粒子が集積することを示した。これは従来の研究では考えられていなかった集積メカニズムであり、リングの厚みが薄くなった後では、これらのメカニズムが小衛星の形成及び形状進化に寄与した可能性が考えられる。 この研究は、計画当初は二年目に行う予定であったが、今回開発した研究手法が集積及び小衛星によるリング中の構造形成に関する研究等、多方面に応用が利くことに気付き、研究実施を早めた。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(5 results)