2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J02443
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中安 大 神戸大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ステロイドサポニン / ナス科植物 / GABA Transaminase 2 / P450 / UGT / HSD1 / CSLG |
Outline of Annual Research Achievements |
1.組換え酵素を用いてin vitro酵素解析を行い、以下に示す活性を示した。(i) GABA-Transaminase 2(GABA-T2)について、22-OH,26-oxo-コレステロールを基質としてC-26位へのアミノ基転移反応を触媒することを示した。(ii) TCYP3(CYP88B)が22-OH,26-oxo-コレステロールを基質として未知化合物を生成することを示した。(iii) これまでの研究により、C-26位水酸化を触媒する活性を示したTCYP2(CYP72A188)のナスおよびトウガラシにおけるホモログについて、22-OH-コレステロールを基質としてC-26位水酸化を触媒することを示した。(iv) ジャガイモにおけるステロイドサポニン生合成候補遺伝子である2種のUGT(SGT4, SGT5)について、ソラニジン-3-O-グルコシドを基質として、SGT4がUDP-ラムノース転移反応を、SGT5がUDP-グルコース転移反応をそれぞれ触媒することを示した。よって、SGT4がチャコニン生合成に、SGT5がソラニン生合成にそれぞれ関わることを推定した。 2.既知のトマチン生合成遺伝子と共発現している2種の生合成候補遺伝子について、トマトのRNAiノックダウン体を作製し、葉の内生化合物を分析した結果を示す。(i) short-chain dehydrogenase reductase(HSD1)ノックダウン体において、内生トマチンが顕著に減少し、デヒドロトマチンが蓄積した。 (ii) cellulose synthase like G protein(CSLG)ノックダウン体において内生トマチンが減少した。よって、HSD1およびCSLGがトマチン生合成に関わることを示した。 以上より、双子葉・ナス科植物のステロイドサポニン生合成に関わる遺伝子を新たに複数同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに行ったノックダウン体の解析からトマチン生合成に関わることが示されていた遺伝子について、組換え酵素を用いたin vitro酵素解析においても活性を検出した。また、ジャガイモのステロイドサポニン(ソラニン、チャコニン)生合成における糖転移反応に関わる未同定のUGTをin vitro酵素解析により新たに同定した。更に、H25年度の研究成果により新たに選抜した生合成遺伝子について、in vivoノックダウン体の解析により、トマチン生合成遺伝子を新たに複数同定した。
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Strategy for Future Research Activity |
各生合成酵素遺伝子のin vitroでの触媒活性および基質特異性、in plantaでの内生化合物への影響を基に有機化学的考察を行い、ステロイドサポニン生合成における各反応段階の順序およびC-16, 22, 26位に修飾された官能基の相互作用によるE,F環形成機構を解明する。 また、トマチンとジオシンの生合成遺伝子について分子系統樹を作製し、双子葉のトマトおよび単子葉のトゲドコロのステロイドサポニン生合成遺伝子の先祖遺伝子や分岐、並行進化について明らかにする。また、それぞれの生合成経路における共通点と相違点を見出す。更に、これまでに報告されている様々な双子葉と単子葉のステロイドサポニンの構造を比較し、それぞれの生合成経路を考察する。
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Research Products
(11 results)