2014 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア熱帯における列状植栽施業の3次元森林構造モデルによる持続可能性評価
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13J02464
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲田 友弥 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-26 – 2015-03-31
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Keywords | 低地フタバガキ林 / エンリッチメントプランティング / 光環境 / RIL / Shorea johorensis |
Outline of Annual Research Achievements |
近年東南アジアにおいては主要な森林型である低地フタバガキ林を主としてその森林面積の減少が続いており、ボルネオ島ではその森林面積は過去50年の間に約半分まで減少している。その森林減少の多くは伐採施業によるもので、主要な伐採対象であるフタバガキ科樹種が択伐により収穫され、先駆種の優占などにより林業的な価値が低下した森林が人口林や農耕地に転換されることが主な原因の一つとなっている。 そこで近年インドネシアでは択伐後の森林に列状にフタバガキ科樹種を植栽することで伐採により減少したフタバガキ科樹種の再生を促進し、施業林としての生産性と優占種であるフタバガキ科樹種の存続による生態的な価値の維持を目的とした施業が実施されている。しかし、列状植栽のフタバガキ科樹種の再生への効果については未だ評価が行われていない。 本年度では平成25年度に行った択伐のみと択伐と列状植栽を組み合わせた施業が行われた2つの施業林の光環境の調査を継続し、約3年間の光環境の継続調査と2林分間の比較から、択伐後の植栽列を設けるための列状の除伐処理が択伐のみの施業よりも林内の光環境を高く維持しており、長期的に林内の光環境に影響を与えていることを明らかにした。また、列状除伐後の植栽列内の光環境は植栽列の近隣木の存在により大きな差があり、高い光量が計測された地点では先駆性樹種の実生が多く侵入し、林床を閉鎖していた。このような除伐処理直後とその後の光環境の違いは植栽されたフタバガキ科の実生にも影響しており、高い光量が計測された地点に植栽されたフタバガキ科樹種の実生の成長が先駆種の侵入により阻害されている可能性が示唆された。以上の本年度の調査の結果については学会発表と論文投稿を行う予定である。 また、前年度から執筆を続けていた列状植栽された個体の長期的な成長と生残に周囲の樹木が与える影響についての論文は学術誌への掲載が決定した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)