2014 Fiscal Year Annual Research Report
偏光依存型3次元角度分解光電子分光を用いた鉄系高温超伝導体の電子状態の研究
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13J02477
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
羽尻 哲也 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 角度分解光電子分光 / 鉄系高温超伝導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は初年度に開発した新型クライオスタット用低温マニュピレータ試作機の設置および性能テストを行なった。その結果、超高真空環境を保った状態で試料回転などの動作精度に問題が無いことが確認された。しかしながら、試料温度については目標到達温度(T < 10 K)に至らなかった。そのため、ゴニオメータの改良版設計、制作および低温テスト環境の整備をすすめている。具体的には改良版として試作機に比べ、試料周りのラディエーションシールドの増強、極低温部の体積の最適化、室温部分からの熱流入を押さえるための断熱層の導入などの対策を講じて設計を行った。 また鉄系高温超伝導体10-3-8系Ca10Pt3As8(Fe2-xAuxAs2)5に対して偏光依存型3次元角度分解光電子分光行い、10-3-8系のバンド分散・フェルミ面のドープ量依存性測定を行った。その結果、超伝導を示さない母物質では先行研究に類似したバンド分散・フェルミ面が得られ、10-3-8系で初めてフェルミ面の軌道同定に成功した。Auをドープした超伝導を示す組成においては、ホール面においてはフェルミ準位のシフトが観測され、Auドープする事で電子ドープの振る舞いをする事の観測に成功した。一方で、電子面においてはフェルミ準位のシフトは観測されず、ホール面とは全く異なる振る舞いが観測された。このような振る舞いは、これまで鉄系高温超伝導体では観測されていない全く新しい振る舞いである。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)