2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J02605
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小松 麻理奈 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | テラヘルツ分光 / 高分子 / 高次構造 / 分子振動 / 分子間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.様々な結晶化度のポリエチレンナフタレート(PEN)に対してTHz分光測定を行った処,2.1THzの吸収強度と結晶化度が正に相関することを確認した。一方,非晶質のPENを昇温しながら測定すると,180℃で2.0THzにピークが出現し,降温時に2.0THzから2.1THzへのピークシフトが観測された。以上より、THzスペクトルの温度依存性からPENの結晶状態を把握できる可能性は高いと考えられる。 2.高分子高次構造の制御に向け、高次構造設計の容易なデオキシリボ核酸(DNA)のTHzスペクトルを検討した。チミン、アデニン、グアニン,シトシンの各塩基を持つ一本鎖DNAと、DNAの構成要素の一つであるデオキシリボースの遠赤外吸収スペクトルを得た。その結果,塩基の種類によらず100~300cm-1と520~570cm-1付近に広い吸収が現れ、チミンを塩基としたDNAでは、422cm-1と490cm-1付近に,アデニンを塩基としたDNAでは、240、335、395、450、480cm-1付近に特徴的な吸収が現れることを確認した。一方で、デオキシリボースは100~600cm-1の波数域において特徴的な吸収を持たないことが分かった。 さらに、高次構造がDNAのTHzスペクトルに与える影響を検討するために、1本鎖DNAとヘアピン2重鎖DNAのTHzスペクトルを比較した。まずアデニンを塩基としたDNAとチミンを塩基としたDNAについて1本鎖とヘアピン2重鎖を比べたところ、1本鎖とヘアピン2重鎖でスペクトルの違いは見られなかった。次に、グアニンを塩基としたDNAとシトシンを塩基としたDNAについて、1本鎖とヘアピン2重鎖を比べたところ、一本鎖では鋭い吸収ピークが現れる一方で、ヘアピン二重鎖ではブロードな吸収の肩しか現れない。この原因として、シトシンやグアニンを塩基にもつDNAの分子振動は分子間の相互作用の影響を受けやすく、ヘアピン2重鎖では分子間の相互作用により振動が抑制されたと考えられる。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(13 results)