2015 Fiscal Year Annual Research Report
全ゲノム比較を用いたグリーンアノールの適応進化機構の解明
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13J02632
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
玉手 智史 東北大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 進化 / 外来種 / 集団ゲノミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
外来種の侵入・定着による新規環境への適応や分布変動は進化生物学において短期的な適応進化の実験場として近年注目を集めている。外来種の拡大と定着成功には可塑性あるいは進化的変化による応答が重要だが、創始者集団はボトルネック効果により著しく遺伝的多様性を欠くため遺伝的変化を伴う進化の効果は過小評価されてきた。一般に、創始者集団内の遺伝的多様性は導入サイズや侵入回数に影響されることが知られているが、これまで外来種において創始者及び現在の集団内の遺伝的多様性や導入時期の推定を行った研究はない。そこで本研究は、小笠原諸島に侵入したグリーンアノールと移入元と推定されている北米集団を用いて、侵入後の形態変化とゲノム配列を用いた集団動態の推定及び定着過程で自然選択を受けたゲノム領域の検出を行った。その結果、小笠原移入時および現在の有効集団サイズは28および229と推定され、移入時期は50年前と推定された。この結果は目撃情報による推定移入時期と一致するだけでなく、創始者集団は小笠原への侵入後急速に集団サイズを拡大させたと考えられる。また、小笠原で有意に正の自然選択をうけ、北米集団と有意に分化したと思われるゲノム領域をコアレッセントシミュレーションにより推定した。その結果、12の領域が検出され、そのうち6つは筋肉量や運動能力を向上させる複数の遺伝子であることから、小笠原への侵入後に起きた後肢長の変化に伴い生じた急速な進化が侵入後の短期的な拡大に寄与したと考えられる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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