2013 Fiscal Year Annual Research Report
リバタリアニズムのfeasibility-右派/左派対立の先へ
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13J02645
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
福原 明雄 首都大学東京, 社会科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | リバタリアニズム / 自己所有権 / 自由主義 / 自由 |
Research Abstract |
平成25年度は、二つの論文の発表と共に、二つの報告を行った。本研究課題のステップは大きく3つに分けられ、1リバタリアニズムの定義問題、2自己所有権論の精緻化、そして、3自己所有権とその他の原理から為す分配原理論の展開、である。本研究課題における、これら相互の位置付けを明らかにしながら、今年度の研究概要を報告する。 1について、従来、日本でなされていた、リバタリアニズムの分類法は、不十分であり、また、ミスリーディングであるとして、日本での理解の批判に加えて、英米圏における理解にも、全面的には賛成できない旨も述べ、自由を至上の価値と考える議論群として理解しなおすべきであると論じた。 2について、リバタリアニズムの右派/左派に共通する特徴である、自己所有権論についての理解を深めるため、その正当化論と人格観という面から検討した。とかく「道徳的直観」と言って済ませてしまう、自己所有権の正当化論は、それ自体はありうる方法だとしても、その理解や、その後の議論に問題が残ると指摘し、また、特にリバタリアンの中では、森村進が提唱している、人格の程度説も、自己所有権を基礎にするリバタリアニズムとは一貫しないのではないか、と論じた。また、自己所有権と自由との複雑な関係について、パターナリズムの問題に引き付けて学会発表を行った。 3について、分配原理論については、現在、着手し、執筆中の博士論文内において、展開する予定である。その一端を、学会発表で、森村の分配原理導出論の批判という形で展開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、「研究の目的」に沿って、研究の成果を順調に発表することができた。また、これらを踏まえて、博士論文の執筆に着手することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、本研究課題の「研究目的」に沿って、書籍・論文の購読を進め、報告や論文などの形で、研究を進めていきたい。また、平成26年度中の博士論文提出を目指して、執筆活動を進めたい。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Libertarianism and paternalism2013
Author(s)
福原明雄
Organizer
The 26th World Congress of Philosophy of Law and Social Philosophy of the International Association for Philosophy of Law and Social Philosophy
Place of Presentation
Federal University of Minas Gerais (UFMG), Belo Horizonte, MG, Brazil
Year and Date
2013-07-23
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