2014 Fiscal Year Annual Research Report
リバタリアニズムのfeasibility-右派/左派対立の先へ
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13J02645
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
福原 明雄 首都大学東京, 社会科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リバタリアニズム / 自己所有権 / 自由 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、論文の公表には至らなかったが、博士論文の本格的な執筆、また、以前から暖めていたアイデアについての報告を行った。昨年度と同じく、本研究課題のステップは、①リバタリアニズムの定義問題、②自己所有権論の精緻化、③自己所有権とその他の原理から導かれる分配原理論の展開の3つに分けることができると考えられる。これらの点について、昨年度から、どのように研究を進めたかを述べることにしたい。 ①リバタリアニズムにおける、政府規模論と分配原理論の混同を指摘し、それらを自覚的に区別して論じる必要があると論じ、特に、後者とリバタリアニズムの関係についての議論の必要性が明らかになった。 ②自己所有権と道徳的人格の関係を中心に研究を進めた。自己所有権論を精緻化する上では、自己所有権の基礎付けとその性質との関係を明らかにすることが必要であり、そのための手がかりとして、道徳的人格の問題と権利の基礎、そして人間観の問い直しが必要であると明らかになった。 ③本研究テーマの本丸である分配原理の問題について、以前から持っていたアイデアの本格的な議論の一部を、研究報告において行った。リバタリアニズムの分配論において大きな重要性を持つ、ロック的但し書きの解釈をめぐる議論を中心にまとめ、これまで右派=天然資源は無主物/左派=天然資源は平等な共有物という二元的な対立に陥っていたが、必ずしもどちらかでなければならないわけではないことを明らかにした。その上で、どのような原理が適当であるかについては、②の議論に依存するとした。 本研究は、その研究課題名の通り、右派/左派対立の先を切り開く手がかりを掴んだと言って良いだろう。その手がかりを形にすることが、報告者が本研究に対して為すべき、残された課題である。速やかにこれを遂行することで、本研究を完了したい。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)