2013 Fiscal Year Annual Research Report
雄マウス求愛歌に対する雌の性嗜好性の脳内表象:聴覚-嗅覚シグナルの感覚統合
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13J02670
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
菅野 康太 麻布大学, 獣医学部動物応用科学科, 特別研究員PD
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Keywords | 音声コミュニケーション / マウス / 感覚統合 |
Research Abstract |
(1)超音波刺激に対する電気生理反応測定系の確立 雄の求愛歌(超音波発声)に対する雌マウスの聴覚応答を測定するための計測機器の立ち上げを行った。聴覚野と下丘の同時計測を、麻酔下で匂いを提示しながら行うことができる実験系の確立を目指した。また、これまで我々が用いてきた超音波スピーカーは、30kHz以上の帯域を出力するには優れているが、音量が小さいこと、20kHz以下の出力には適さないことが分り、通常の聴覚実験に適したスピーカーもあらたに用意することとした。 聴覚実験を確実に行うため、加藤建築環境研究所の協力・コンサルタントの下、ほぼ無響環境の防音箱とあらたなスピーカーを準備した。この防音箱は電気生理実験にも行動実験にも、様々な点で適している。また、あらたなスピーカーは1kHz以上の人間の可聴域から、マウス求愛歌の主たる帯域である80kHz前後まで、良好な出力が出来ることを確認した。さらに、夏目製作所に依頼し、麻酔下で匂いが提示できる独自の機器を用意した。現在、純音(聴覚応答マッピング : トノトピーの決定に必須)のプログラムや出力刺激の音圧を調整し、音提示から電気生理測定までを高精度に行う実験系の最終調整を行っている。 この申請者独自の実験系の確立によって、2014年度にはマウス求愛歌に対する雌の神経応答や、感覚統合の神経基盤の実証研究が可能になるものと考えている。 (2)雌にとって重要な音声刺激の同定 これまで、雄マウスの超音波発声は様々な分類がなされてきたが、その音声の種類が、雄にとって、もしくは雌にとってどのような生物学的意義を持つのか、その検証はなされてこなかった。そこで、申請者はそれらの意義を行動学的に検証した。結論として、ある種の音素(シラブル)は、発声量に随伴してその発現頻度が変化する事がわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験系の立ち上げに際し、各種機器を新規に準備したため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度、一連の行動解析を行い、雄マウスの特定の歌声が、雌にとって快刺激に可能性を見出しつつある。また、雄の歌発声と個体の"パーソナリティ"の関係も検討し、データを得つつある。申請と当初よりも、より歌の「意味論」的な研究が可能になりつつあり、そのような方向性も付け加えて進める。
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Research Products
(4 results)