2014 Fiscal Year Annual Research Report
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13J02687
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門脇 和丈 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 磁気リコネクション / 自己組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、東京大学TS-4装置に前年度に設置した高分解能の磁場計測装置を用いて、新しい磁場配位を用いた実験を行った。この実験はプラズマ合体型実験と比較して、磁気リコネクションアウトフローの方向に大きな非対称性を持っている。過去に別グループによりシミュレーション、衛星観測および実験により観測された磁気リコネクション中のHall効果による四重極アウトプレーン磁場の形状が、本実験においては非対称の効果により、片方のアウトフロー方向に大きく偏るというユニークな特徴を持つことが確認された。また、偏った分布中においても、アウトプレーン方向の一般化Ohm則の計算からHall効果が電流シート中において磁気リコネクションを高速化していることが定量的に示された。この結果を、プラズマ・核融合学会年会などで報告した。この実験結果は地球磁気圏尾部において発生している、非対称な磁気リコネクションとの類似性が指摘されている。 また、本年度はプラズマ合体において磁気リコネクションが自己組織化に対してもたらす効果を定量化するための、磁気プローブアレイを作成した。特に初期プラズマ生成時に注入される磁気ヘリシティの定量化を目的としており、これによりプラズマ合体前後での磁気ヘリシティの保存および、磁気エネルギーの減衰が議論できる。グローバルなプラズマ閉じ込め磁場を正確に制御するために、コイル電流を装置内で正確に計測するためのロゴスキーコイル系の整備も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規に製作した磁気プローブ類を用いて、プラズマ合体における磁気ヘリシティ、磁気エネルギーなどのグローバルなパラメータの時間発展を得ることを目的とした実験を計画していたが、予定外の装置の故障により実験が延期となり、次年度に持ち越しとなってしまった。逆に、最終年度に予定していた、天体プラズマの再現実験を本年度内に前倒しで行うことができたので、3ヵ年計画の中での2年次と3年次の計画を入れ替えて進めることで調整することが可能だと考えられる。また、遂行した実験に関しても、早期に論文にまとめることが要求される。
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Strategy for Future Research Activity |
プリンストンプラズマ物理研究所との連携実験を直ちに遂行し、アウトフロー方向の非対称リコネクション実験により、基礎プラズマ現象としてのリコネクションの効果を検証する一方、遅れているプラズマ合体実験における自己組織化機構の定量化を早期に進める。TS-4装置の修理に関しては、故障が再発しないような適切な修理法を既に見出しており、問題はない。さらに、一回の実験において取得できる物理量を増やせるように、装置に挿入できる計測器の数を増やすための改造を計画している。
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