2013 Fiscal Year Annual Research Report
日和見感染症の制御を目指したカンジダ・アルビカンスとヒトの共生系再構築
Project/Area Number |
13J02730
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
青木 航 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | Candida albicans / Microfluidics / Symbiosis / Virulence |
Research Abstract |
1. Candida albicansのプロテオーム解析を通した病原性因子の探索 Candida albicansは血液に侵襲すると病原性を発揮する。そこで、Candida albieansを血清中で培養した場合とYPD培地で培養した場合のプロテオームを比較し、病原性因子の検出を試みた。 定量的プロテオーム解析を行った結果、血清特異的に発現が誘導される因子として、28種類の遺伝子を同定した。また、血清で培養された場合に大きく発現が上昇する遺伝子の同定にも成功した。その結果、特に発現が上昇する遺伝子として、orf19.4914.1を同定した。この遺伝子は77アミノ酸からなるペプチドである。今までの解析ではタンパク質として存在するかどうかわからなかったが、今回の研究において初めて、タンパク質として実際に存在することが判明した。 orf19.4914.1を過剰発現するベクターを作成し、そのベクターをSaccharomyces cerevislaeに導入することで、orf19.4914.1の機能を調べようとこころみた。その結果、orf19.4914.1は細胞の成長を有意に促進し、また、熱ショック、シクロヘキシミド耐性、高塩濃度耐性といった表現型を示すことが判明した。これらの結果から、orf19.4914.1は、さまざまなストレスに対する耐性を付与する効果を持っていることが示唆される。 2. Microfluidicsの作成 Candida albicansの病原性を生体内模倣環境で調べるために、新しいmicrofluidicsの作成を試みている。現在までに、microfluidics内部で細胞をトラップし培養すること、液体を安定的に流し血流を模倣した環境を構築することに成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画の期待通りに研究が進展している。既にJournal of Proteomics誌に論文が採択されており、現在、もうひとつの論文を国際誌に投稿中である。特に、Journal of Proteomics誌に採択された論文においては、既存論文では全く報告されていなかった新しいタイプの病原性因子の発見に成功しており、そのインパクトは大きい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策は、当初の計画通りに進める。 次年度は、特にMicrofluidlicsを用いた共生システムの再構成に焦点を当て、Candida albicansとヒトが共生する条件を探索する。
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Research Products
(2 results)