2015 Fiscal Year Annual Research Report
日和見感染症の制御を目指したカンジダ・アルビカンスとヒトの共生系再構築
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13J02730
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青木 航 京都大学, 農学研究科, 助教
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Candida albicans |
Outline of Annual Research Achievements |
カンジダ症とは、常在性の真菌Candida albicansによって引き起こされる日和見感染症である(Gow N. A. et al. Nat. Rev. Microbiol., 2011)。C. albicansは普段はヒトと共生しているが、ヒトの免疫機構が弱まると重篤な病気を引き起こす。特に全身性カンジダ症の致死率は50%以上にも達するが、その病原性メカニズムは未だよくわかっておらず、効果的な治療法は存在しない。高齢・風邪・AIDSなどを原因として発症するため、高齢化社会を迎えるにあたり患者数はさらに増大すると推定されており、早急にC. albicansの病原性を解明する必要がある。 本研究では、新規共存プロテオーム解析法を構築することにより、C. albicansのマクロファージ破壊機構の解明を試みた。既存プロテオーム解析では、共存するC. albicansとマクロファージの混合サンプルからそれぞれの細胞を単離する必要があった。これは、質量分析の前段階である試料分離における従来LCカラムの分離能が低いためである。本研究は、我々の開発した高分離能ロングモノリスカラム(500 cm)を用い、共存する2つの細胞を分離せずに、プロテオームを一斉測定できる「共存プロテオーム解析」を行った。 C. albicansのマクロファージ脱出時における、両細胞のタンパク質を網羅的に同定した。コントロールとしてそれぞれの単培養時のプロテオームと比較した。その結果、C. albicansとマクロファージそれぞれで発現しているタンパク質を網羅的に同時定量することに成功した。具体的には、特にマクロファージにおいて、アポトーシス抑制因子の分解が著しく増強していることが発覚した。詳細な解析は必要であるが、C. albicansの病原性プロテアーゼによりマクロファージのアポトーシス抑制因子が分解され、それがマクロファージからの脱出に重要である可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)