2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J02845
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 竜一 北海道大学, 大学院生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 精原幹細胞 / Ret / GDNF / IL-11b / 精子形成 / 細胞移植 / トランスジェニック / 精巣 |
Research Abstract |
精原幹細胞の同定のため、Ret発現A型精原細胞が精原細胞であるかをBrdUパルスチェイス法で検証した。結果、成体のメダカをBrdUでラベルしたものとRet発現A型精原細胞が同一の細胞であることが分かり、Retを発現している細胞が精原幹細胞である可能性が高いことが分かった。より確実な検証として細胞移植実験を行なうため、蛍光色素でラベルしたSP細胞分画を他個体の精巣に直接移植し精子形成が進行することがわかり、移植技術の確立がなされた。 また、精原幹細胞の単離として既に作製済みの抗Ret抗体を用いてRet発現A型精原細胞をソーティングできるか検証したところ、得られる細胞数が少なく、十分な結果が得られなかった。Retタンパク質は壊れやすく不安定な膜タンパク質であり、ソーティング可能な抗体を作るのは困難だと考えられる。よってRetプロモーターで駆動する蛍光タンパク質をコードする遺伝子を発現するBACトランスジェニックメダカを作製するべく、遺伝子組み換え用のベクターを作製した。 さらに、精原幹細胞の培養系の確立に際し、これまでクローニングできていなかったメダカセルトリ細胞由来フィーダー細胞(Mtp1)をクローニングした。クローニングした各フィーダー細胞の性質を調べたところ、それぞれサイトカインの発現が大きく異なり、これらのフィーダー細胞を組み合わせることでよりよい培養環境を作り出すことが可能となった。 加えて新たに添加するサイトカインとしてRetのリガンドであるGDNFaとGDNFb、またLIFと同じくp53-KOメダカで発現の高かったIL-6ファミリーに属するIL-11bをクローニングした。今後バキュロウイルスを作製して、培養系に加えることで精原幹細胞の培養系の確立を進めて行く。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
精原幹細胞の同定として、移植による証明はまだ成されておらず、研究は遅れている。一方で当初できるとは思われていなかったフィーダー細胞のクローニングが完了した。また、他のサイトカインのクローニングにも成功している。よって総合的におおむね研究は進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
精原幹細胞の同定の為にトランスジェニックメダカを作る必要があり、これを最重要として進めて行く。トフンスジェニックメダカができれば、単離については容易である。また、クローニングした各種サイトカインを元にバキュロウイルスを作製して、培養系の確立を目指して行く。
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Research Products
(1 results)