2014 Fiscal Year Annual Research Report
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13J02845
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 竜一 北海道大学, 生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 精原幹細胞 / 精原細胞 / LIF / IL-11b / メダカ / 移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
精原幹細胞の培養を目指すために細胞増殖、分化因子の研究を進めている。p53ノックアウトメダカ精巣では精原細胞の割合が大きくなっている。また各種細胞増殖因子の発現が異なっている。これをもとに精原細胞の増殖分化に作用する因子の同定を試みている。 これまでの研究からp53ノックアウトメダカ精巣では精原細胞の割合とLIFの遺伝子発現が亢進していることがわかっており、LIFリコンビナントタンパク質を精原細胞培養系に添加したところ、精原細胞数が有意に増加した。一方で精原細胞には幹細胞的な性質を持つA型精原細胞と分化型のB型精原細胞とがある。これまで培養下ではA型精原細胞とB型精原細胞は明確な分子マーカーがメダカではなかったため判別が困難であった。今回piwiがメダカのA型精原細胞で特に発現することがわかった。そこで、LIFがどの型の精原細胞に作用しているのかをpiwiやsycp3の抗体を用いて詳細な細胞集団のトレース実験を行ったところ、LIFはB型精原細胞の増殖に寄与していることがわかった。 また、他の細胞増殖、分化因子の候補としてIL-11に着目している。p53ノックアウトメダカ精巣ではIL-11bの発現亢進がみられ、この遺伝子のクローニングを終え、リコンビナントタンパク質を作製している。GDNFa,bについてはリコンビナントタンパク質を作製するバキュロウイルスが完成した。 精原幹細胞の培養評価に使用する幹細胞の移植技術の確立は昨年度までに構築したが、細胞を培養したのちに、生体のメダカ精巣に移植する実験は十分に行くことができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
培養下においてA型精原細胞とB型精原細胞を明瞭に区別方法がこれまでなく、具体的にLIFがどこに作用しているのかを突き詰めることが困難だった。このため候補タンパク質の詳細な機能における研究が遅れた。 また、他の候補タンパク質の効果の検証については機能的なリコンビナントタンパク質を精製することが難しく難航している。 培養と移植については移植に使う近交系メダカであるHd-rRの生育が悪いことと上記のリコンビナントタンパク質の十分な確保が間に合わなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroでのリコンビナントタンパク質の効果の検証に必要だった分子マーカーがそろったので、具体的にこれまで作出したリコンビナントタンパク質の効果を順次検証していく。 in vitroでのデータがそろい次第移植における幹細胞への効果の検証を行い、精原幹細胞の培養確立を目指す。
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Research Products
(2 results)