2015 Fiscal Year Annual Research Report
かさ高い置換基により安定化された含アルミニウムクラスターの精密合成と物性解明
Project/Area Number |
13J02926
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長田 浩一 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 有機アルミニウム / ジアルメン / 多重結合 / 低配位化学種 / Lewis塩基 / 水素活性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、アルミニム-アルミニム間二重結合化学種であるジアルメンAr-Al=Al-Ar(Ar=かさ高いアリール基)の反応性を調べることを目的として研究を行った。これまでに我々は、ジアルメンとベンゼンの形式的な[2+4]環化付加体であるバレレン型ジアルマン(以下ジアルマン誘導体)から穏和な条件下でジアルメンが発生することを見出しており、ジアルマン誘導体が適切なジアルメンの前駆体になることを報告している。本年度は、①ジアルマン誘導体と水素分子との反応、及び②Lewis塩基との反応を検討したので以下概要を述べる。 テーマ①:ジアルメンと水素分子との反応において、一分子の水素が活性化されることでジヒドロジアルマンが生成するものと考え検討を行った。ジアルマン誘導体のヘキサン溶液に対し、室温で1気圧の水素ガスを作用させたところ、ジアルメンに2分子の水素が付加した生成物に対応するジヒドロアルマン二量体が高収率で得られた。これまでに申請者は室温ではジアルマン誘導体からジアルメンが発生するのに対し、-30℃ではジアルメンが発生しないことを明らかにしている。ヘキサン中-78℃で、ジアルマン誘導体と水素分子の反応を検討した所、反応は全く進行しなかった。従って、ジアルマン誘導体からジアルメンが発生し、そのジアルメンが2分子の水素分子と反応することでジヒドロアルマン二量体が得られたものと考えられる。以上の結果から、ジアルメンが水素分子を穏和な条件で水素分子を活性化できることが明らかとなった。 テーマ②:ジアルメンのLewis塩基錯体の生成を企図し、ジアルマン誘導体とLewis塩基との反応を行った。Lewis塩基としてN-ヘテロ環状カルベンやピリジン類を用いた場合には、ジアルメンのLewis塩基錯体ではなく、ジアルマン誘導体にLewis塩基が一分子配位した錯体が、熱的に安定な化合物として定量的に生成することが判った。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)