2013 Fiscal Year Annual Research Report
生物物理学的予後予測モデルに基づく循環型放射線治療計画法の開発
Project/Area Number |
13J02944
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馬込 大貴 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 放射線治療 / 予後予測 / パターン認識 / ニューラルネットワーク / 生存期間 / 脳腫瘍 / 臨床情報 / 線量情報 |
Research Abstract |
今年度は、臨床情報と放射線治療計画情報に基づくデータベース構築を行い、データベースに含まれる特徴量から、放射線治療後の生存期間を予測する手法を開発した。本研究では、35名の高悪性度脳腫瘍患者を対象として研究を進めた。すべての患者は、biopsyもしくは摘出手術の後に、30-80Gyの放射線治療を受けている。35症例の全症例データは、学習用データ(30症例)と検証用データ(5症例)にランダムに振り分けられた。 放射線治療後の生存期間は、204種類の入力候補特徴量の中からステップワイズ法を用いて決定される特徴量を用いて、線形重回帰分析と人工ニューラルネットワーク(artificial neural network : ANN)を用いて予測された。204種類の候補特徴量には、8種類の臨床情報に基づく特徴量(腫瘍位置、切除範囲、放射線治療の期間など)と196種類の放射線治療に基づく特徴量(最大線量、最低線量、D95、V60など)が含まれる。特徴量選択には閾値P値(P<0.2)に基づく変数増加法を用いた。提案手法は、予測された生存期間と実際の生存期間の間の決定係数を用いて評価された。 線形重回帰分析における決定係数は、学習用データにおいて0.460、検証用データにおいて0.375となった。一方、ANNを用いた予測の決定係数は、学習用データにおいて0.806、検証用データにおいて0.811となった。 本研究では、放射線治療後の生存期間を予測する手法を開発した。結果として、ANNを用いることで、高精度に放射線治療後の予後を予測できる可能性を示した。提案手法を用いることで、過去患者の治療結果のデータを用いたエビデンスに基づく放射線治療計画を行う事ができ、放射線治療の治療成績を大幅に改善できる可能性がある。これまでの研究成果は、3報の英語論文と1報の著書にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、次年度行う予定であった予後予測手法の開発に、既に取り組んでいる。これまでの研究成果は、3報の英語論文と1報の著書にて報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、より大きなデータベースを用いて、頑強性の評価を行う。また、様々なモダリティの画像を高精度にレジストレーションする手法を開発し、それらの画像から得られる新たな特徴量の追加を行う予定である。
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Research Products
(4 results)