2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J03020
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
勝谷 祐子 早稲田大学, 文学学術院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 壁画 / サン・ボネ・ル・シャトー / 国際ゴシック / 美術史 / サヴォワ / ベリー公 / フランス / 中世 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度はサン・ボネ・ル・シャトー参事会聖堂壁画(ロワール)を手掛けた画家の同定と制作年代の限定を目的とした様式研究を行った。本壁画の様式については画面構成やモチーフの扱いに、北方写本であるベリー公の『いとも豪華なる時祈書』「聖母戴冠」(1411-16)との共通点が先行研究により指摘される。ブルボン公の息子ジャン一世とベリー公の娘マリー・ド・ベリーとの間に婚姻関係があったことからも画家がベリー公の工房より迎えられた者であった可能性は高い。しかし研究者代表は、トレチェント絵画からのモチーフの引用やピエモンテ地方の画家との様式的共通点を見出しており、北イタリアに生まれ、後に北方の写本工房にて画法を身につけた画家であると考える。12の各主題に関し、適切な比較対象を絞り込み、サン・ボネ壁画との類似と差異を画面構成、モチーフ選択、様式のレヴェルに分けて比較検討することにより以上の仮説を論証する。 現在までに「天使の奏楽」「聖母戴冠」「磔刑」「四福音書記者」場面に関する分析を進めてきた。「磔刑」に関しては、画面構図とキリストの身体表現にトレチェント絵画との共通点を分析すると同時に、空間表現に見いだされる北方的な絵画原理をアルティキエーロ・ダ・ゼビオの作品との比較において明らかにした。「聖母戴冠」場面に関しては、エルサレムの建築にロンバルディア地方の市庁舎に具えられた塔の様式が採用されている点を明らかにした。「天使の奏楽」「四福音書記者」に関しては、サヴォワ公アメデオ8世に仕えたピエモンテ地方の画家ジャコモ・ジャケリオとの関係、またベリー公の元で写本・彫刻を手掛けたアンドレ・ボーヌヴーとの関係を論証した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)