2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J03036
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
鳥羽 大陽 基礎生物学研究所, 生物進化研究部門, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 極性形成 / 雄ずい / MADSボックス遺伝子 / 基部被子植物 / モデル植物 / 分子遺伝学 / 進化発生学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,植物発生における極性確立のメカニズムを分子遺伝学的手法で明らかにすることである.そのために,雄ずいにおけるユニークな極性形成過程に着目し,その過程で起こる現象の解明を目指す.また,進化発生学的アプローチにより,雄ずい発生の極性形成過程における普遍性と多様性を明らかにすることも目指している. 昨年度までに,モデル植物シロイヌナズナを用いて,雄ずいの極性確立に関わる遺伝子としてMADSボックス遺伝子を明らかにしてきた.その研究成果から発展して,本年度はMADSボックス遺伝子に依存して極性確立に働く因子を同定することを計画した.具体的には,MADSボックス遺伝子を用いた独自のスクリーニング系を確立し,それによって極性確立に必須となる因子の探索を試みた.この計画(極性確立における新規因子のスクリーニング実験)により,目的とする現象解明に大きな一歩となる,新規因子の同定が期待できる.残念ながら,本年度はスクリーニングの実験系の確立に予定以上の時間を要し,新規因子の同定までは達成できていない.しかしながら,次年度にこの計画を進めることで,目的達成に向かう予定である. 上記実験と並行して,モデル植物とは異なる雄ずい極性を持つオーストロバイレヤとガルブリミマの野生植物2種について,オーストラリア熱帯雨林にてサンプルを得ることに成功した.そのサンプルを用いることで,モデル種との比較解析を実行できる見込みとなった.本年度は得られた2種について,極性形成過程を調べるために,遺伝子発現解析を試みた.本年度の成果をもとに,次年度は,これら野生植物での詳細な遺伝子発現解析を行う実験手法の確立が課題となっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究目的の中核となる実験計画 (極性確立に関わる新規因子のスクリーニング実験)が当初予定よりも遅れている.このため,本年度の達成度としては計画よりもやや遅れが認められる.しかしながら,本年度中に計画の遅れとなった問題点を解消したので,次年度には当初目的の達成を期待できるようにした.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に確立できたスクリーニング系を用いて,新規因子の探索を推進する.また,研究計画の最終年度を迎えるので,次年度中に成果をまとめ, 論文発表等により,研究成果を公表できるところまで到達するように工夫をする.
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Research Products
(2 results)