2013 Fiscal Year Annual Research Report
スチールチップ補強ポリマーセメント系複合材料の開発と構造部材への適用
Project/Area Number |
13J03038
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
洪 善煕 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 繊維補強セメント系複合材料 / スチールチップ / 乾燥収縮 / ひび割れ / クリープ |
Research Abstract |
本研究は, 省資源, 環境負荷物質低減, 長寿命を基本概念とした環境配慮型鉄筋コンクリート構造物を実現するための研究である。本研究の目的は, スチールチップ補強セメント系複合材料(SCRCC ; Steel Chip Reinforced Cementitious Composite)にセメント混和用ポリマーを適用(スチールチップ補強ポリマーセメント系複合材料, SCRPCC ; Steel Chip Reinforced Polymer Cementitious Composite)してこの問題を解決することである。この新しく開発したセメント系材料について各種材料実験の結果を踏まえ, 最終的にはスチールチップ補強セメント系複合材料の構造部材への適用を提案する。 研究計画段階の時には本年度の目標として, スチールチップ補強セメント系複合材料の耐久性を明らかにするためにSCRCCの耐久性全般的な検討を考慮したが、本研究の目標を修正してSCRPCCの乾燥収縮とクリープ特性について集中的に検討することにした。まず、1年目にはSCRCCに対して実験研究を中心的に乾燥収縮とクリープ特性を把握することにした。 SCRCCの長期性能を検証するため, 壁を模擬した試験体を製作し、乾燥収縮特性とひび割れ特性に対して検討した。スチールチップ補強の有無, および内部の鉄筋量を実験変数として収縮乾燥収縮ひび割れを長期観測した。特に自由収縮量のみではひび割れ調節のためのスチールチップ補強の真の可能性を追求できないため, 実部材に近い拘束条件, 配筋条件のもとで検討した。 その結果として、実験から得られた知見は次の通りである。1)無補強モルタルに比べ, SCRCCの乾燥収縮ひずみは減少した。2)拘束試験体の乾燥収縮はスチールチップの補強と鉄筋量の増加によって減少した。SCRCCの乾燥収縮の計測とひび割れ発生状況に対する観測は長期的な材料特性を把握するため、現在、1年以上のデータを収集している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は, 大型両端拘束乾燥収縮試験体8体の作成とひずみ計測を中心に実験的作業を進めた。平行して自由収縮試験体の観測, 曲げクリープ試験体の製作・観測を実施し, 収縮ひび割れ幅の予測に必要な各種データを採取した。これらの実験は現在も計測を続行中であるが, 1年間のデータをまとめて学術論文誌上および国内外の学会で発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
スチールチップ補強セメント系複合材料(SCRCC)の設計と長期性能の予測に必要な評価モデルの構築に着手しており, 基本骨格が固まりつつある。 それから、スチールチップ補強ポリマーセメント系複合材料(SCRPCC)に関する実験データも採取している。その次にはSCRPCCの予測ための評価モデルの構築に着手する。
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Research Products
(3 results)