2014 Fiscal Year Annual Research Report
古俳諧の全文データ集積に基づく『俳諧類船集』重要語彙の研究
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13J03043
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河村 瑛子 名古屋大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 古俳諧 / 貞門俳諧 / 談林俳諧 / 芭蕉 / 下里知足 / 書誌学 / 出版 / 連想 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.前年度に引き続き、ことばの宝庫であり、古人の世界観を探るうえでの重要資料である、貞門・談林の古俳諧作品の資料基盤の整理を行った。具体的には(1)前年度に作成した古俳諧作品目録の補訂を行った。逸題俳書、残欠本なども含めて写真や原本の調査を行い、書目を網羅するのみならず、書誌・伝本・内容にわたる総合的な目録を目指した。(2)古俳諧の中でも、言葉の連想関係を探る上で特に重要な、連句集・付句集について、全国の文庫・図書館から写真を取り寄せて読解翻刻を行い、全文データを集積した。(3)上記の成果を用いて、俳人下里知足の若年の自筆雑記である『徳元玄札両吟百韻』の研究を行い、「下里知足自筆雑記『徳元玄札両吟百韻』解題と翻刻」(査読中)として論文化した。同論文では、俳諧のほかに文学や出版に関する重要記事をも含む本書について、抄出書目の典拠や他出との異同を指摘しつつ、本書が、古俳人の修練の過程を具体的に示す稀有な資料であることを明らかにした。 2.前年度に引き続き、1で集積した古俳諧作品の全文データを駆使して、『類船集』の注釈的研究を行った。本年度は、その成果を松尾芭蕉の作品読解に応用する研究を行った。具体的には、(1)芭蕉の「背戸」を詠んだ発句2句について、『類船集』「背戸」条の注釈的考察を踏まえ、新解釈を提案した。上記の内容について、大坂俳文学研究会において口頭発表を行い、「芭蕉発句の「背戸」について」(投稿準備中)として論文化した。(2)『類船集』「像(かたち)」条の注釈的研究から、「かたち」の本義についての考察を行い、それが芭蕉の詩想と繋がる可能性を示した。上述の内容について、東海近世文学会において口頭発表を行い、現在論文を執筆中である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)