2013 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質リン酸化の細胞機能による分類とその立体構造的特徴の網羅的解析
Project/Area Number |
13J03101
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
西 羽美 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | タンパク質リン酸化 / バイオインフォマティクス / リン酸化の細胞機能 / タンパク質立体構造 |
Research Abstract |
本研究では主にヒトタンパク質のリン酸化について、データベース解析および分子動力学シミュレーションを用いることで、細胞機能と立体構造上の特徴の関係性を明らかにすることを目的としている。具体的な手順としては、まずは各々のリン酸化サイトについて細胞機能の特定と立体構造の取得のプロセスを平行して行い、最終的に二つを統合し解析を行う。本年度は複数のリン酸化データベースからリン酸化サイトのデータを取得するとともに、細胞機能を判断する上で重要な指標となりうる文献情報の調査およびキナーゼ情報の集約を行いつつ、立体構造情報としては天然変性領域上に存在するリン酸化サイトについての調査を行った。初めに、PhosphoSitePlusおよびPhospho. ELMの二つのデータベースよりリン酸化サイトを取得、重複を除いたところ全体として69430件のデータを得ることが出来た。これらのリン酸化サイトに対して文献情報の調査を行ったところ、全体の約5割がハイスループットの手法によって同定されたものであり、報告数(論文数)についても1報しかないことが明らかになった。一方、5754サイトについてはリン酸化を担うキナーゼの情報を得ることが出来た。内訳としては、CMGCに属するキナーゼ(CDK、MAPK等)に触媒されるサイトが全体の3分の1以上を占めた。また、リン酸化サイトと天然変性領域の関係については、まず既知の天然変性領域の情報をDisProtおよびIDEALデータベースから得た。得られた全てのリン酸化サイトをこれらの天然変性部位に割り当てた結果、1093リン酸化部位が実験的に同定された天然変性領域に属した。決まった構造を持っ領域に比べ、天然変性領域でのリン酸化部位としてはセリンが相対的に多く、全体の6割を占めている。対して、共通のキナーゼでリン酸化される等、リン酸化においては似た性質を持つとされるスレオニンは構造を持つ部分と天然変性領域で割合に差は無く、セリン・スレオニン問に差異があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に行う予定であった複数データベースからのリン酸化サイトの集約が完了し、細胞機能の注釈付けの基本となるキナーゼの情報についての整理も完了した。立体構造側の取得についても、リン酸化サイトがより多く含まれる傾向にある天然変性領域の調査を始めることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
文献情報の調査から、データセットのうち半分は大量同定かっ報告数が少ないサイトであることが判明している。これらの、いわば信頼性が必ずしも高いとは言えないサイトをどう扱うかは解析における課題の一つとなるだろう。また今後は、あるリン酸化部位の担う細胞機能を表現するためのさらなる情報として、個々のリン酸化タンパク質の分子機能およびシグナル伝達経路上におけるシグナル下流の情報を付け加えることを予定している。立体構造的側面についてはホモロジーモデリングを用いた構造モデルの作成を予定している。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Cancer Missense Mutations Alter Binding Properties of Proteins and Their Interaction Networks2013
Author(s)
Nishi, H., Tyagi, M., Teng, S., S hoemaker, BA., Hashimoto, K., Alexov, E., Wuchty, S. and Panc henko, AR.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 8
Pages: e66273
DOI
Peer Reviewed
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