2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規な超音波エコー信号処理によるHIFU治療効果判定とHIFU治療システムの研究
Project/Area Number |
13J03112
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高木 亮 東北大学, 大学院医工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | HIFU / イメージング |
Research Abstract |
本研究の目的は、超音波診断画像(B-mode像)を構成する超音波の送受波信号をもとに、HIFU治療によって生じる温度上昇とそれによる熱変性の判定をリアルタイムに行う、モニタリングシステムを構築することである。HIFU治療の熱変性を超音波信号のみで行うため、本研究では異なる時間の超音波画像間の相互相関分布(相関マップ)をとることにより評価する方法を提案した。現在の超音波ガイドHIFU治療において、HIFUの高強度超音波成分とイメージング用の低強度超音波成分との干渉を避けるため、一旦HIFU照射を止めて超音波画像を取得し、治療部位のモニタリングを行っている。しかし現状の方法では、HIFU照射時のlmsスケールの組織変化をモニタリングすることができない。つまり現状の方法では本当の意味でのリアルタイムな組織変化をモニタリングすることができない。そこで、私はHIFU照射を止めることなく超音波画像を取得し、HIFU成分のみを除去する新手法を提案した。具体的には、超音波画像が構成される(ビームフォーミング)前のデータからHIFU成分の信号を取り除く信号処理を行うことにより、組織成分の信号は残したままHIFU成分のみを除去することに成功した。さらにHIFU成分のみを除去した超音波画像から先に述べた相関マップを作成し、HIFU治療による加熱凝固領域の推定にも成功した。この新手法は、超音波ガイドHIFU治療のリアルタイムモニタリング手法としてリアルタイムに組織の状態を確認できるという点において非常に画期的な方法であり、実用上も有用な方法であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である「HIFU治療における治療部位のリアルタイムモニタリング」に対してHIFU照射中にHIFU成分のみをカットして組織モニタリングする新手法について基礎的な検討を行うことができたという点でおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本実験において、これまではリアルタイムな信号処理ではなく、ポスト処理により超音波画像を取得している。今後は、信号処理のアルゴリズムを改善し、リアルタイムな画像表示の検討を進める予定である。また、現在行っている実験は還流した豚肝臓を使用したin vitro実験だが、今後はvivo実験等を行うことにより、本手法のより実用的な適用という点においても研究を進めていく予定である。
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Research Products
(5 results)