2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規な超音波エコー信号処理によるHIFU治療効果判定とHIFU治療システムの研究
Project/Area Number |
13J03112
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高木 亮 東北大学, 医工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 強力集束超音波治療 / キャビテーション / 超音波信号処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、超音波診断画像(B-mode像)を構成する超音波の送受波信号をもとに、強力集束超音波治療によって生じる温度上昇とそれによる熱変性(治療終了)の判定をリアルタイムに行う、リアルタイムモニタリング治療システムを構築することである。そこで、本研究では、モニタリング用受信超音波信号処理を行うことによって治療用超音波ノイズのみを除去し、治療中の組織変化の様子をリアルタイムに可視化するアルゴリズム開発に取り組んだ。その結果、ex vivo実験において、治療用超音波ノイズのみを完全に除去し、治療中の治療効果を可視化することに成功した。その成果が認められ、医用超音波および超音波治療に関する学会において、それおぞれ3つの賞を受賞した。また、その結果に関する論文を1編執筆し、学会誌より「記載可」の通知をいただいている。 さらに本研究では高強度・短期間の超音波パルスと通常の治療用超音波治療を併用することで焦点においてキャビテーション気泡を生成し、治療効率を上げる治療法を提唱している。そこで本年度は、キャビテーションを利用した高効率治療において、上記ノイズ除去アルゴリズムが適用できるかも検討した。その結果、キャビテーション気泡由来の超音波信号などが散乱する、より複雑な治療系においても上記アルゴリズムが適用できることを確認し、現在、その結果をもとに論文を執筆中である。今後は、この研究を発展させ、キャビテーション気泡が治療領域に存在する条件において、治療効果が判定できるアルゴリズムを構築する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である「超音波治療における治療部位のリアルタイムモニタリング」に対して、新規な超音波エコー信号処理により、リアルタイムに治療用超音波ノイズを除去して、治療効果を判定するシステム作りの基礎を構築できたという点において、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、ポスト処理によって治療用超音波ノイズを除去している。今後はリアルタイムに治療用超音波ノイズを除去し、さらに同時に治療効果判定も行う、治療システムを構築する予定である。そのためにアルゴリズムをより簡素化し、実装できる仕様にする必要がある。また、キャビテーション気泡が治療領域に存在する場合において治療効果をどのように判定していくかも同時に検討していく必要がある。
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Research Products
(8 results)