2013 Fiscal Year Annual Research Report
インドールアルカロイド セスペンドールの収束的完全化学合成
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13J03258
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
樋口 恵子 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | セスペンドール / パラジウム / 連続環化反応 |
Research Abstract |
セスペンドールは、脂肪滴合成阻害作用を示す天然インドールアルカロイドである。その立体構造は一部未決定であったが、我々の研究によって、相対立体配置は決定された。本研究では、1. 全絶対立体配置の決定、2. セスペンドールのもつ多環性インドール骨格構築法の確立、3. セスペンドールおよび類縁体の収束的な化学合成、これら3つの課題を解決しつつ、セスンドールの収束的な完全化学合成を目指す。我々は、セスペンドールの全合成研究を始めるにあたり、以下に示す収束的な合成計画を立案した。まず、セスペンドールを芳香環セグメントおよびテルペンセグメントに分割して合成し、両セグメント同士をカップリング後、連続環化反応によって中心骨格であるインドール部位を一挙に構築するという計画である。本年度は、課題2のセスペンドールの骨格構築を担う連続環化反応の開発に取り組んだ。 初めにモデル基質を用いて条件検討した結果、二価のパラジウム触媒を用いることで望む連続環化反応が収率よく進行することを見出した。 次に、この反応の基質一般性を検証するため、セスペンドールの芳香環上の置換基を導入した3つの基質を合成した。これらを環化前駆体に変換して、先に確立した条件で連続環化反応を試みた。その結果、全ての基質において望む反応が進行し、セスペンドールと同一の置換基を有する四環性化合物の合成にも成功した。今回開発したパラジウム触媒を用いた連続環化反応によって、セスペンドールの収束的な完全化学合成が実現可能だと考えている。 その後、両セグメントの光学活性体合成に取り掛かる計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パラジウム触媒を用いた連続環化反応の開発と基質一般性の検証に手間取り、両セグメントの光学活性体合成に着手できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
現在取り組んでいる連続環化反応の開発について結果をまとめ、論文報告を行った後、研究計画に沿って、両セグメントの光学活性体合成に着手する。
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Research Products
(2 results)