2015 Fiscal Year Annual Research Report
ニッケル触媒を用いた炭素-水素結合直接変換反応の開発と応用
Project/Area Number |
13J03280
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
武藤 慶 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ニッケル / クロスカップリング / ヘテロ芳香環 / C-H結合変換 / C-O結合変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
遷移金属触媒を用いた芳香環連結反応は、最も進展が著しい有機合成分野の一つである。従来、鈴木宮浦カップリング反応などの、パラジウム触媒を用いたアリール金属種とハロゲン化アリールとのクロスカップリングがビアリール合成のスタンダードとして頻用されてきた。近年ではこの従来法が抱える、多段階プロセス問題、ハロゲン問題、そして高価な金属触媒の使用といった問題点の解決に向けた、より理想的な方法論の開拓研究が注目されている。 本研究では、上記の課題を解決すべく、1)調製に多段階を要するアリール金属種に代わり、その原料である芳香環を直接反応させる、2)ハロゲン化アリールに代わりハロゲンを含まないフェノール誘導体をカップリング剤に用いる、3)高価なパラジウム触媒に代わり、安価なニッケルを金属触媒に用いる、といった3つを同時に満たす新規クロスカップリング反応の開発研究を行った。 その結果、新たなニッケル触媒を用いることで、オキサゾールやチアゾールのC-H結合とフェノール誘導体のC-O結合を切断し、連結させるC-H/C-Oカップリングの開発に成功した。 反応開発にとどまらず、様々な生物活性物質の迅速合成へと応用展開することができた。さらに、反応中間体の単離、速度論実験などの実験化学と、量子化学計算が連動した機構解明研究を行い、触媒サイクルと新たなニッケル触媒の反応性を明らかにすることにも成功した。 これらの研究で得た機構的知見をもとに、反応条件の再検討へとフィードバックすることで、エノール誘導体を用いたアゾールの直接アルケニル化や、イミダゾールとフェノール誘導体とのC-H/C-Oカップリング反応の開発へと展開することができた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] C-H Activation Generates Period Shortening Molecules Targeting Cryptochrome in the Mammalian Circadian Clock2015
Author(s)
Tsuyoshi Oshima, Iori Yamanaka, Anupriya Kumar, Junichiro Yamaguchi, Taeko Nishiwaki-Ohkawa, Kei Muto, Rika Kawamura, Tsuyoshi Hirota, Kazuhiro Yagita, Stephan Irle, Steve A. Kay, Takashi Yoshimura, and Kenichiro Itami
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Journal Title
Angewandte Chemie International Edition
Volume: 54
Pages: 7193-7197
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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