2015 Fiscal Year Annual Research Report
有機強誘電体からの高効率テラヘルツ波発生による強誘電ドメインの可視化とその光制御
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13J03372
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五月女 真人 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非線形光学 / テラヘルツ波 / 強誘電体 / 分子性結晶 / 強誘電ドメイン / 強誘電体 / フェムト秒レーザー / 光整流効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
水素結合型有機強誘電体は、分子構造のみならず水素結合の次元性やその積層構造も様々であり、それらがTHz波の発生機構にも関与している可能性がある。本研究では、メチルベンゾイミダゾール (MBI)において、THz波発生を探索し、Ramanかつ赤外活性なフォノンに共鳴した周波数の狭帯域THz波が発生することを昨年度までに見出してきた。これは、THz波発生メカニズムが瞬間誘導Raman散乱過程(ISRS)であることを示唆する。さらに本年度は、本研究の過程で光整流効果によるTHz波発生が観測されたクロコン酸と同じ結晶対称性 (点群mm2)をもつ水素結合型有機強誘電体5,6-ジクロロ-2-メチルベンゾイミダゾール (DCMBI)におけるTHz波発生を探索し、発生機構を調べた。その結果、光整流効果によるシングルパルスに続いて周期1.0psのRaman,赤外活性なフォノンに共鳴した振動構造が観測され、ISRSを介したTHz波の発生が強く示唆された。 ISRSが顕在化した理由は、(1)分子性結晶に特有の分子間モードがTHz帯に存在する、(2)水素結合のHを中間に置く擬似的高対称相を持つこと、が挙げられる。ISRSメカニズムでの発生効率はモードの赤外モーメントやRamanテンソル値に比例するが、赤外活性が強すぎると結晶内で発生したTHz波は再吸収され、結晶外への放射効率は悪くなる。この点、水素結合型有機強誘電体は水素結合のHを中間に置く擬似的高対称相を持つため、赤外活性が弱くISRSによるTHz波発生が顕在化しやすい条件を満たしている可能性が高い。 さらに、本研究ではフェムト秒レーザー照射によるテラヘルツ電磁波における光整流効果と瞬間誘導Raman 散乱過程を定式化した。さらに、THz波の発生・伝播・検出すべてを考慮し電場波形をシミュレーションする技術を構築した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)