2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J03373
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
安室 春彦 琉球大学, 理学部, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 環境エンリッチメント / 頭足類 / トラフコウイカ / 発達 / 行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はトラフコウイカ(以下、コウイカ)を対象に、環境エンリッチメントの知育効果を解明し、これに基づき新しい飼育環境を創出することを目的とした。このために、平成26年度は研究項目「(2)照明デザインによる最適飼育条件の創出」を実施した。コウイカ集団を35日齢より同一物体配置のもとで均一照明区、間接照明区、局部照明区、4)映像演出区で育成し、知性の発達過程を調べ、以下のような知見を得た。 空間把握能:80-91日齢では、間接照明区で育成したコウイカは標的を上手く捉える事ができなかった。また、125-137日齢では、均一照明区で育成したコウイカで捕食成功率が低下し、正確に空間を把握できなかった。一方、局部照明区と映像演出区で育成したコウイカは捕食成功率が高く、多くの標的を捕食した。 種内コミュニケーション能:80-91日齢から、何れの環境で育成したコウイカも特定のボディーパターンを表出しながら同種個体に対して接近する様子が観察され、一定のコミュニケーション能力を形成することが示唆された。 学習・記憶能:80-91日齢から、何れの環境で育成したコウイカでも学習が確認された。一方、80-91日齢では局部照明区で、125-137日齢では映像演出区で30時間にわたる記憶も確認された。しかし、均一照明区と間接照明区で育成したコウイカでは記憶の明瞭な保持は観察されなかった。 脳内神経ネットワーク:何れの環境で育成したコウイカも、体サイズの増加に伴い脳重量が増加し、その増加傾向は育成環境間で類似した。 以上のように本研究では、飼育下のものの見え方や陰影を醸し出す照明デザインがコウイカの認知能力の発達に影響することを示した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)