2014 Fiscal Year Annual Research Report
ラジオ波応答能を持つ新規カーボンナノチューブ材料のデザイン・開発
Project/Area Number |
13J03375
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐田 貴生 九州大学, 工学研究院, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | カーボンナノチューブ / 磁性ナノ粒子 / ハイパーサーミア / 交互積層法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、癌組織局所的なハイパーサーミア実現のため、生体透過性の高いラジオ波に応答するラジオ波応答性CNT材料の開発を目的とした。 最初に、AAOンプレートを使ったカーボンナノチューブ材料の開発を行った。テンプレートにより作製したCNTは両端が開端し、かつ、内側だけが露出している状態で得られるため、CNTの内側を機能化する点で優れている。炭素源は、汎用性が高いポリマーに着目し、ポリマーとAAO内壁の相互作用を利用した交互積層法 (LbL)による炭素源塗布を行った。しかし、従来の方法では、ポリマー鎖の広がりのため、80 nm以下のポア径をもつテンプレートの中へのLbLは難しいと報告されている。そこで、ポリカチオンとして金属イオンに着目し、金属イオンとポリマーのLbLを検討した結果、35 nmのポア径を持つAAOにも正確にポリマー塗布ができることがわかった。その後の炭化処理により、簡便に両端が開端したカーボンナノチューブが得られることも明らかとした。 次に粒子内包カーボンナノチューブ材料の開発と評価を行った。作製したCNTに磁性ナノ粒子溶液を浸漬させるだけで、高密度に内包された磁性粒子内包CNTの作製に成功した。また、ラジオ波照射実験により比吸収率 (SAR)を計算すると、粒子内包CNTの時で、16300 W/g、CNTのみの7300 W/gであることから、内包されたナノ粒子の影響で、発熱効果が増大したことが示唆された。粒子内包で得られた16300 W/gは今までで報告されている15000 W/gよりも若干大きく、内包粒子とCNTの相乗効果が働いていることが示唆された。また、今回内包したナノ粒子は、内包率・サイズ・組成の点で更に発熱効果を増大できるため、更に高効率な薬剤の開発が期待できる。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(4 results)