2013 Fiscal Year Annual Research Report
シンガポールにおける女性の所得階層と福祉供給の諸類型に関する研究
Project/Area Number |
13J03419
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
落合 絵美 同志社大学, 社会学部, 学振特別研究員(PD)
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Keywords | 福祉政策 / 社会保障 / シンガポール / ジェンダー |
Research Abstract |
出産・育児のための中断期間(2013年10月から2014年3月までの計6か月間)が含まれることから、 本年度の研究実施期間は2013年4月から2013年9月までの計6か月間となった。1年目である本年度は、当初の計画通りに文献研究を中心に実施した。その際、以下の2点を中心に取り組んだ。 《①社会保障制度の国際比較》 東南アジアおよび欧州諸国における社会保障制度の国際比較に関する先行研究の検討作業(主に和書)を中心に行った。この作業を通じて、社会保障制度を検討するうえでの基本的な分析視角、フレームワークについて理解を深めることができた。また、文化・宗教を含めた歴史的背景に起因する社会保障制度の形成過程およびその理念についても整理・検討することができた。 《②シンガポールの歴史研究》 シンガポールの福祉供給体制を研究する前提として、国家の形成過程を理解することは重要である。よってシンガポールの歴史に関する先行研究のレビューを行った。具体的には、大航海時代から現代に至るまでの歴史、すなわちシンガポールが世界市場に登場して以降、現代に至るまでのあいだに世界市場において果たしてきた経済的役割、およびその担い手に関する歴史研究について理解を深めるよう努めた。インドネシアやマレーシアなどイスラム諸国に地理的に囲まれた中華系が多数を占める小さな新興国家シンガポールが置かれている特異な地政学的制約を歴史的背景に基づいて理解することは、現在のシンガポール政府の打ち出している各種政策を理解するうえで大いに役立つものであり、2年目以降の研究計画を遂行するための基盤となる重要な研究作業となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目である本年度は、主に先行研究の比較検討といった文献研究が中心となった。この作業を通じて研究計画を遂行するうえで基本となる分析視角について理解を深めることができた一方で、海外調査については下記の理由により延期せざるを得なかった。よって、当初の研究計画に比べてやや遅れが生じている点は否めない。
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Strategy for Future Research Activity |
出産・育児による研究停止期間が含まれるため、1年目である本年度の実質的な研究期間は4月から9月までの6か月間となった。よって、当初、本年度に予定していた海外調査(事前調査)については計画通りに実施することができなかったが、実施できなかった研究計画については今後の採用延長期間を含めて2年目以降に適宜繰り延べするかたちで順次実施していく予定である。
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