2014 Fiscal Year Annual Research Report
シンガポールにおける女性の所得階層と福祉供給の諸類型に関する研究
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13J03419
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
落合 絵美 同志社大学, 社会学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 女性 / 経済成長 / 福祉 / シンガポール / 家族 / ジェンダー / 格差 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、急速な経済成長を遂げたシンガポールにおける福祉供給の実態を女性の役割に注目して明らかにすることにある。 研究計画1年目に該当する平成26年度は、シンガポール経済史を中心に先行研究(英語・日本語)の整理・検討作業を行った。これにより、現在の経済政策にまで影響を及ぼしているシンガポールの独特な経済政策の歴史および政府の立脚する理念が何に基づいて形成されてきたのか、その源泉について理解を深めることができた。 また、経済活動を捕捉するために1965年の独立当初から現在に至るまでの半世紀にわたる経済統計データ(Yearbook of Statistics Singaporeほか)の収集・整理・分析作業を行い、経済活動の推移を数値に基づいて確認する作業についても合わせて実施した。 これら1年目に実施した研究内容は、経済と福祉の関係性を検討する2年目・3年目の研究を行ううえで基礎的な知見になる重要な内容であることから、今後の研究計画の土台として位置づけることができる。 政府の経済政策を捕捉する作業が中心となった1年目の研究に対して2年目は労働政策を中心に文献調査を進めていくが、この両者を整理することは有償経済の背後にある無償経済としての福祉の実態を明らかにする作業(3年目の現地調査)へとつながることから、研究課題の達成に向けて引き続き研究計画に沿った研究活動を遂行していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では1年目からシンガポールでの現地調査を実施する予定だったが、出産・育児のための中断期間を挟んだことから現地調査については2年目以降に延期した。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目の研究成果は海外調査に関して当初の研究計画よりもやや遅れてはいるものの、文献研究については順調に進展している。 3年目には長期の現地調査を控えていることから、2年目は引き続き文献研究を中心に、3年目の現地調査の準備作業にも着手して3年目の研究環境を整備するための作業を進める。そして、1年目および2年目に実施した文献研究を土台にし、3年目に実施する現地調査で得られるデータを整理・検討することを通して期間内における研究課題の達成を目指す。
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Research Products
(1 results)