2015 Fiscal Year Annual Research Report
革新的創薬を目指した環状ペプチドライブラリーの構築
Project/Area Number |
13J03534
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長野 正展 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ペプチド触媒 / キナーゼ / 試験管内進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、従来ない生物科学的手法と有機化学的手法を併せて最小環状ペプチドを探索するものである。採用三年目は、ヒストンH3を選択的チオリン酸化する環状ペプチド触媒、すなわち天然オーロラBキナーゼを模した最小キナーゼの探索を行った。リン酸ドナーとして、探索に適したATPgammaSを用い、一兆個を超える環状ペプチドライブラリーを構築し、ビオチン-ストレプトアビジンの強力な結合力を利用した触媒捕捉系を確立して探索を行ったが、残念ながらチオリン酸化されたヒストン構造を有する活性種の発見には至っていない。また環状構造を単環のみならず、より強固な立体構造を形成することから触媒ポケットとして適するであろう2環状ペプチドライブラリーの作成を行った。しかし、こちらも単環状と同じく触媒活性種の濃縮には至らなかった。これらの結果は、通常のキナーゼが約300アミノ酸より構成されるのに対し、今回触媒として用いた環状ペプチドが18アミノ酸と10倍以上小さいことが、キナーゼとして働く触媒の少なさに繋がり、結果的にキナーゼの回収を難しくしたと考察できる。一方、抗ヒストンH3-リン酸化Ser10抗体により捕捉する手法で触媒探索を行った結果、結果として抗原と競合して抗体に結合するするユニークなペプチド種を獲得できる興味深い知見が得られたので、本成果を論文発表する予定である。現在、リン酸化触媒からより成功率が高いであろうアシル化触媒ペプチドの探索に達成目標を修正し、研究を行っている。採用後三年間で触媒を発見することは出来なかったが、今後の触媒探索の成功の鍵を握る有益な情報は得られたと考えている。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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