2013 Fiscal Year Annual Research Report
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13J03561
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
村上 久 神戸大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 群れ / ミナミコメツキガニ / 相互予期 / ランダムウォーク |
Research Abstract |
今年度は(1)ミナミコメツキガニが群れとして忌避領域へ創発的に侵入する実験 ; (2)アユの群れの運動解析 ; (3)ランダムウォークのモデルに関する研究を行った。 (1)これは「研究の目的」にそって群れ形成力を明らかにしようとする実験である。近年群れ研究では少しずつ群れの運動解析が行われつつあるが、実験的に群れ形成に関する相互作用を探る研究はまだまだ少ない。そこで我々が従来から扱っているミナミコメツキガニにおいて、小さな群れがみせる水に対する忌避行動と、大きく密集した群れがあえて忌避領域である水の中へ侵入する行動を実験的に示したものである。この創発現象は一般的な群れモデルでは説明が困難である一方、我々が従来から提案しているエージェントが互いに運動を予期し合う群れモデルによって簡単に再現できる。 (2)本研究は研究計画においてはミナミコメツキガニにおいて行われる予定であったが、解析方法の困難さから今年度は、筑波大学の新里氏と共にアユの稚魚を用いて行われた。現在群れの運動解析はムクドリの群れなどを中心に行われているが、制御された環境下で行われたものは少ない。我々はアユの群れを匹数を変えながらタンクの中で泳がせ、その様子をビデオカメラで撮影した後、解析ソフトを利用して個体識別された座標データを得た。そのデータから従来重要とされてきた群れの内部構造が複数確認された。特に、個体間での接近時間において幕則が確認されたが、これは群れの形状に依らず現れ、群れ形成・維持に極めて重要な意味をもたらすと考えられる。 (3)多くの群れに関する論文において、群れが作られる理由に群れとしての探索が挙げられるが、具体的な研究はほとんどされていない。本研究ではこの問題に挑むためまず新たなランダムウォークのモデルを提案している。今後実際の群れを一個として見た時の挙動と、本モデルを照らし合わせる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画における運動解析について、ミナミコメツキガニの群れを使ってはうまく行かなかったため、アユの群れに切り替えられた。しかしそれ以外では順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のようにミナミコメツキガニの群れの運動解析において困難さが見られた。アユの群れは画像解析が容易である一方でミナミコメツキガニの群れは、実験の対象としては非常に扱いやすい。そのため今度は、運動解析をアユの群れ, 行動実験をミナミコメツキガニの群れで行う予定である。
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Research Products
(5 results)