2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J03569
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
坂井 伸行 国立天文台, 水沢VLBI観測所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-26 – 2015-03-31
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Keywords | 銀河系 / VERA / 位置天文学 / 星形成領域 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、銀河系の3次元空間構造、及び3次元速度分布を観測的に明らかにし、これまで不定性が大きかった銀河系の質量分布を明らかにする事である。本研究により、バリオン(通常の物質)とダークマター(未知の物質)の割合が詳細になり、質量分布と銀河系の力学進化との関係が、詳細になる事が期待される。 平成25年4月~平成27年3月までに、星形成領域に付随する17天体の観測を行い、3天体については結果を論文化する事に成功した。 論文中で研究代表者らは、ペルセウス座腕の天体は平均して、~20 km/s程度の非円運動を示す事を明らかにした。また、得られた非円運動成分は、円運動成分の1割弱に相当する事も明らかにした。1割弱の回転速度の誤差は、1割以上の質量分布の誤差を生んでしまう。つまり、本研究の結果は、銀河系の質量分布の議論を詳細に行う為には、非円運動の考慮が必要不可欠である事を示している。 従来の銀河の質量分布の研究は、観測技術の制約もあり、最もシンプルな軸対称で考える事が主流であった。しかし、高空間分解能観測が可能になった現在は、非軸対称成分(e.g., 渦状腕)を空間的に分解できるので、軸対称から非軸対称に研究を拡張していく必要がある。本研究の成果は、質量分布の研究を軸対称から非軸対称に拡張させる必要性を提起しており、先駆的な研究と言える。 研究の将来的な発展について言及すると、2020年代はGaia位置天文衛星により、銀河系のハローに付随する天体についても、6次元運動情報が明らかになる。つまり将来的には、銀河系円盤に位置する星形成領域とハローの観測結果を組み合わせる事で、銀河系全体に関する質量分布、及び重力ポテンシャルを明らかに出来る。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)