2013 Fiscal Year Annual Research Report
2次元イッテルビウム量子縮退ガスを用いた大規模エンタングルメント状態の生成
Project/Area Number |
13J03745
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
MIRANDA MARTIN SANTIAGO 東京工業大学, 大学院理工学研究科(理学系), 特別研究員(DC1)
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Keywords | Ytterbium / 凝縮体ガス / 2次元光格子 / 固浸レンズ / 高分解能顕微鏡 / アコーディオン手法 / 量子情報処理 / 原子冷却 |
Research Abstract |
私は、Yb原子を2次元光格子中にトラップし、大規模なエンタングルメント状態を生成することを目指している。この目的を達成するためには、Yb原子集団のボース・アインシュタイン凝縮を作った後、MottInsulator相転移を起こし、光格子の個々のサイトに原子を1個ずつ正しく並べる必要性がある。サイト内の原子にアクセスするため、分解能と集光効率を上昇させる固浸レンズ(SILと高分解能対物レンズ(NA=0.55)からなる顕微鏡システムを新たに真空系に組み込んだ。まず、冷却されたYb原子をSILの直下まで輸送し、アコーディオン手法を使うことで凝縮体ガスを200nm程度の円盤状に圧縮した。 アコーディオン用のレーザー光を折り返すことで、1次元光定在波を作ることができる。同様のアコーディオン光を直交する2方向から導入すれば2次元光格子を生成することもできる。emCCDカメラの性能と顕微鏡系の集光効率を考えると、原子を蛍光観察するためには、一原子あたり1万フォトンが必要となる。しかし、原子に光を当てて励起するだけだと、大きな輻射圧を受けて原子がサイトから100フォトンも発光せずに離脱してしまう。そのため、原子を冷却しながら励起することが本質的に重要となる。この目的を達成するために私は、3準位系を利用した新たな冷却方法を考えた。アコーディオン光として(6s6p) 1P1-〉(6s7s) 1SOから離調500GHz離れたレーザーを用いることで、(6s6p) 1P1状態に深いポテンシャルを作ることができる。(6s2) 1SO-〉(6s6p) 1PIに共鳴した光を当てると、原子が基底状態(6s2) 1SOと(6s6p) 1P1の間でRabi振動し、平均的に深いポテンシャルを感じることになる。 高分解能顕微鏡を使うことで、530nmの周期を持つ原子の空間的分布を直接観察することに成功した。また、2次元光格子にトラップされた原子についても、上記と同じ周期の2次元的な模様を確認することができた。これはいずれも世界初の成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
固浸レンズの直下にトラップされたイッテルビウム凝縮体ガスを2次元光格子にトラップした後、個々の原子の蛍光を世界で初めてとらえることに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの研究においてボソンである174イッテルビウムで実験を行なっていたが、イッテルビウムである171Ybについても2次元光格子量子気体顕微鏡を実現することが今後の目的となる。171Ybはs波散乱長が非常に小さく、直接冷却することはできないため、174Ybと一緒にトラップし協同冷却を行う必要性はある。 しかし、この方法を用いると174Ybも1トラップ中に残ってしまう。どのようにして171Ybを残しつつ174Ybだけを取り除くことができるかは大きな課題となる。この問題を解決するためには、私は、1SO->3P2の超狭線幅遷移を用いて、174Ybだけを選択的に励起しトラップから取り除くことを計画している。
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Research Products
(2 results)