2014 Fiscal Year Annual Research Report
高次元ゲージ理論の一般的な境界条件による解析と階層性問題の解決
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13J03825
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤本 教寛 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高次元ゲージ理論 / 点状相互作用 / 量子力学 / 背景磁場 / オービフォールド |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、まず余剰次元として線分を持ち、さらに点状相互作用が導入された5次元ゲージ理論の枠組みにおいて、ニュートリノまで含めたレプトンの、世代・質量階層性・フレーバー構造が実現/再現されうるかについて議論し、実際に実験値を再現する領域が存在することを示した。これは、4次元の理論において質量階層性のパターンやフレーバー混合の構造に非常に大きな違いを持つクォークセクターとレプトンセクターが、余剰次元模型の観点においては同等の存在であり、一世代模型から出発して世代を出しつつ、余剰次元の配位の違いのみから現実的な違いが現れうるということを示したということであり、通常の4次元理論からは説明できない新しい視点を示したという意味で、非常に意味がある仕事である。 さらに、余剰次元理論において一般的な幾何を仮定してその性質を探るという研究目的に照らし合わせて、「背景磁場を持つ6次元オービフォールド模型」を世界で初めて一般的に構築し、その性質を調べた。この研究には研究実施計画にはなかったものの、上記「点状相互作用を持つ5次元ゲージ理論」の解析の場合と同じく、量子力学の研究を応用することで革新的な進展があり、急遽研究を実施した。その結果、通常はテータ関数と呼ばれる特殊関数で表現され解析が困難な高次元粒子を、全て厳密な表式で解析的に求めることに成功し、数値計算でしか解析されていなかった世代数や湯川結合定数などを、原理的には全て解析的に導出できるようになるという状況にまで至った。これは、一般に解析が困難な「一般的な幾何」の余剰次元模型をフルに解析できたという意味で、大きな意義のある仕事である。さらに我々はこの結果を使って、10次元U(8)超ヤン・ミルズ模型を解析し、この枠組で3世代が実現されうる全ての可能性を列挙し、明らかにした。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)