2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J03871
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 恵理子 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 蛍光プローブ / 有機リン化合物 / ホスホール / ソルバトクロミズム |
Outline of Annual Research Achievements |
生命現象を解明するための強力なツールとなる優れた蛍光プローブの開発は、依然重要課題の一つである。特に、大きなストークスシフトや極性溶媒中での強い発光といった特異な発光特性を実現するには、新たな蛍光性分子骨格の創出が求められる。本研究では、リンを含む5員環共役ジエンであるホスホール環の特徴的な電子構造と高い安定性に着目し、生体イメージングへの応用を指向した蛍光性ホスホールの合成,および構造物性相関の解明を行った。具体的には、ドナー・アクセプター型分子の蛍光波長が溶媒によって大きく変化することに着目し、電子供与性アリール基を電子受容性に富んだベンゾホスホールオキシドの2位に導入した分子を設計・合成した。 ベンゾホスホールオキシドの光物性について検討したところ、非極性溶媒のトルエンから極性溶媒のDMSOへと溶媒の極性を変化させると、青緑色から赤橙色へと劇的に発光色が変化し、さらには極性溶媒やプロトン性溶媒中でも高い蛍光量子収率が保持されることを見出した。多くの環境応答性プローブがこれらの溶媒中では著しく消光する事実と対照的な結果である。また、プロトン性溶媒を含む様々な溶媒中での値を用いLippert-Matagaプロットを行ったところ、ストークスシフトと溶媒の極性はよい比例関係を示した。分極したホスホリル基が存在するにもかかわらず、プロトン性溶媒中でも特別な相互作用を形成せず、蛍光色をもとに周囲の環境の極性を見積もることが可能なことを示す結果である。動物細胞の染色実験を行ったところ、この蛍光色素は高い光安定性と極めて低い細胞毒性をもち、染色された細胞組織の極性環境に依存して発光色が異なることを明らかにした。ベンゾホスホールオキシド誘導体の環境応答性蛍光色素としての有用性が示された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Environment-Sensitive Fluorescent Probe: A Benzophosphole Oxide with an Electron-Donating Substituent2015
Author(s)
Eriko Yamaguchi, Chenguang Wang, Aiko Fukazawa, Masayasu Taki, Yoshikatsu Sato, Taeko Sasaki, Minako Ueda, Narie Sasaki, Tetsuya Higashiyama, Shigehiro Yamaguchi
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Journal Title
Angew. Chem. Int. Ed.
Volume: 54
Pages: 4539, 4543
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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