2014 Fiscal Year Annual Research Report
高性能低公害固体推進薬開発に向けた次世代高エネルギー物質の探索と特性解析
Project/Area Number |
13J03896
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松永 浩貴 横浜国立大学, 環境情報学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高エネルギー物質 / ロケット推進薬 / アンモニウムジニトラミド / 化学安定性 / 熱分解機構 / イオン液体推進剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
高性能低公害推進薬開発に向けてアンモニウムジニトラミド(ADN)系推進薬に着目し,ADN系推進薬の実用化とともに新規高エネルギー物質開発に資する知見を得ることを目的とした。本年度は下記について検討を行った。 【熱分解機構の詳細検討】量子化学計算によりADNの凝縮相,気相における安定構造を把握した。次に,昇温速度を変化,物質を添加した際の分解挙動について,熱分析と分光分析の複合システムにより熱挙動と分解生成物の同時測定を行い検討した。添加剤は,ADNの分解の主生成物である硝酸アンモニウム(AN)およびエネルギー物質の添加剤に広く用いられる酸化銅(II)とした。量子化学計算による反応経路計算も行い,実験結果と合わせて反応機構を推定した。昨年度の結果と合わせて,ADNの熱分解機構,特に凝縮相における初期反応に関する知見を得た。これはADNの安定性,燃焼特性把握に重要な知見である。 【混合特性の検討】本研究では,ADN(融点93℃)にメチルアミン硝酸塩(MMAN)(融点110℃)および尿素(融点135℃)を加えると共融により融点が降下し,室温で液体(イオン液体)となることを見出した。そこでこの共融混合物をイオン液体推進剤(ILPs)として宇宙機の姿勢制御用推進剤に適用可能であるかについて検討した。熱挙動-生成ガス分析および化学平衡計算の結果より,ADN系ILPs適用による推進剤の高性能化が示されたとともにその分解機構が把握できた。また,ADN単体と比較して長期安定性に優れ,室温で貯蔵可能であることが示された。ADN系共融混合物は新規液体推進剤として期待できることがわかった。 【ANの混合特性】昨年度に続き,ADNの分解主生成物であるANの安定性に及ぼす添加剤(特に無機物)の特性について知見を得た。 以上の結果は査読付国際誌3報に掲載済のほか,国際会議,国内学会で発表した(依頼公演を含む)。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(26 results)