2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J03913
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
八木 亜樹子 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | シクロナフチレン / シクロパラフェニレンピレニレン / カーボンナノベルト / 脱水素環化 |
Outline of Annual Research Achievements |
新奇π共役系化合物の合成は、合成化学における重要課題のひとつである。π共役系化合物の中でも、本来平面構造である芳香環がベルト状に曲がった骨格をもつ化合物群は、特に注目を集めている。シクラセンやシクロフェナセンに代表されるベルト状芳香族炭化水素は、その美しい構造から多くの科学者を惹き付けてきた。ベルト内外に固定化されるπ共役によって引き起こされる特異な電子物性や、空孔を利用したゲスト分子の包接、カーボンナノチューブ合成への応用など、様々な機能発現や応用展開が期待されている。長く合成研究が行われてきたにも関わらず、芳香環からなるベルト状構造を構築することの困難さゆえに、現在でも未だそれらの合成は達成されていない。本研究では、ベルト状芳香族炭化水素のひとつを『カーボンナノベルト』と名付け、その世界初の合成を目指した。 本研究では2012年に、カーボンナノベルトの合成前駆体と考えることのできる分子である、[9]シクロナフチレン([9]CN)の合成を達成した。また、2014年には同じく前駆体となりうるシクロパラフェニレンピレニレン(CPPyr)を合成している。2015年には、新たにリングサイズの異なるCNである[8]CN、[10]CN、[12]CN、[16]CNを合成することに成功した。これら合成したリング分子の性質を調べ、既知のリング分子にはない特徴的な性質を明らかにすることができた。さらに、合成した[12]CNおよび[16]CNの脱水素環化反応によるカーボンナノベルト合成を検討した。温度や時間、反応剤の当量等の詳細な調整を行うことで、脱水素環化が有効に進行する条件を見出した。なお、そのような反応条件において、[9]CNでは有効に脱水素環化が進行しないことがわかった。カーボンナノベルトを得るには、残り数段階の脱水素環化反応の進行が必要であり、現在、反応条件の更なる検討を行っている。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)