2013 Fiscal Year Annual Research Report
大脳基底核・小脳出力情報を統合し運動指令を形成する大脳皮質構築の解明
Project/Area Number |
13J03960
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
田中 康代 基礎生物学研究所, 光脳回路研究部門, 特別研究員(PD)
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Keywords | 運動 / 大脳皮質 / 皮質脊髄投射神経細胞 / 1次運動野 / 視床 |
Research Abstract |
本研究の目的は、視床や他の皮質領野から1次運動野の皮質脊髄投射神経細胞への入力様式を調べることで、運動指令を担う皮質脊髄投射神経細胞の情報統合機構を明らかにすることである。まずin vitroで皮質脊髄投射神経細胞の空間的な入力地図を明らかにし、in vivoで皮質脊髄投射神経細胞への入力が運動時にどのようなタイミングで入ってくるのかを調べて運動実行のメカニズムを解明する。 in vitroの系で光刺激によるマッピングを行ったところ、視床から皮質脊髄投射神経細胞への入力について、細胞体やその周辺の入力が大きかった。さらに、第1層での入力も小さいながらに検出できた。電気記録は細胞体で行っており、第1層の尖端樹状突起への入力は細胞体に到達するまでに減衰することを考えると、視床から皮質脊髄投射神経細胞の1層への入力も無視できない程度入っていると考察できる。 in vivo2光子カルシウムイメージングの系を用いて、実際にマウスがレバーを引いているときの視床軸索と皮質脊髄投射神経細胞のカルシウム動態を見ることに成功した。このことにより、マウスがレバー引く時のどのタイミングでこれらが活動するかが明らかになり、視床から皮質脊髄投射神経細胞の入力の機能的な役割を明らかにすることができると今後期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroの実験はサンプル数が足りないため継続中であるが一方で、マウス運動時においてGCaMPを使ったカルシウムイメージングが視床軸索でできるようになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、運動時に重要な経路である、視床から大脳皮質1層→皮質脊髄投射神経細胞の尖端樹状突起に注目して自発運動時の神経活動パターンを調べる。視床から皮質脊髄投射神経細胞への入力がマウスのレバー引き運動時にどのようなタイミングで活動するのかを同定し、その意義を解く。また光刺激による運動の修飾も行うことでデータ結果を補強する。
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Research Products
(1 results)