2013 Fiscal Year Annual Research Report
磁気圏尾部の電流層構造から調べるプラズマ不安定の物理
Project/Area Number |
13J04057
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 実穂 東京工業大学, 大学院理工学研究科(理学系), 特別研究員(PD)
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Keywords | 地球電磁気 / オーロラ / 人工衛 / プラズマ / 磁気圏 / 尾部 / THEMIS計画 / MMS計画 |
Research Abstract |
本研究の目的は、 「地球と太陽(太陽風)の相互作用からどのような物理過程で、オーロラ現象が引き起こされるのか」、その過程を明らかにすることにある。 平成25年度から27年度にかけて、人工衛星の観測データの解析を行い、これまで調べることが難しかったオーロラ現象の源の構造、特に電流層の構造を調べることから、プラズマ物理を用いたオーロラ現象の解明を可能にする。 平成25年度の研究内容とその成果は以下のようにまとめられる。 (1)複数の人工衛星を用いた磁気圏尾部電流層の解析方法を開発 (2)平成26年度以降に取得できる観測データ(NASAが平成26年に打ち上げる予定のmmS衛星)へ利用することを想定した研究を行った。 (3)平成25年度、使用したデータは、すでにNASAが打ち上げたTHEMIS衛星による観測である。5衛星による同時観測のデータが7年分あり、これまでにない膨大なデータと観測事例があるところが、この研究の新しいところになっている。 (4)電流密度の変化、分布を得ることができた。オーロラ活動との相関を調べた。 以上の研究から、研究目的の一つである尾部電流層の構造に迫ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は、解析したデータ量が当時の想定より膨大であったことで、これを論文にまとめること、理論的な説明を与えることに、多くの時間を費やすことになった。次年度は、テーマを限定して、多くの研究者に意見をもらえるようにしていくことで、今後の研究計画に大きな変更をすることなく対応できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に得られた研究結果(電流層の構造)は、これまでの理論的な想定を覆すものであったため、その解析結果の正当性を確認し、解釈を与えることが本研究課題を進めていく上で重要である。理論で仮定されている条件(プラズマ温度の特徴、電流層の厚み、平衡状態)などを他の観測データから調べることが対応策の一つになる。また、研究結果を論文としてまとめ、多くの研究者が、この電流層構造の意味するところを考察できるようにすることも重要と考えている。
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Research Products
(3 results)